新築マイホームを建てる事は、生涯の一大イベント
新生活への期待と不安もありますが、新築物件という不動産(資産)も手に入れることになります。
新築を手に入れた事で発生する、「リスク」に対して備えるのが火災保険と地震保険です。
そこで気になるのが、保険料ですよね。
どのくらいの料金で、どのくらいの補償がいいのかというのは、なかなか判断しずらいものです。
しかし、それでは自分の保険料の目安が分からないままで、困ってしまいます。
今回は火災保険と地震保険の料金の目安の付け方
火災保険や地震保険の保険料がどのように決まるのか
火災保険・地震保険を考える際に押さえておきたいポイント
上記の3点について、詳しくご紹介したいと思います。
この記事を読んで、ご自身が加入する火災保険や地震保険のイメージづくりをしてください!
目次
火災保険と地震保険の相場を知りたい!
保険料金の相場を知りたいと思ったかもしれませんが、残念ながら、火災保険に「一般的な相場」は存在しません。
なぜなら、火災保険は契約する建物ごとに保険料を決める仕組みで、立地場所や姿かたちが全く同じ建物なんて、この世に存在しないからです。
他の家の保険料金を参考にして考えるのは意味のないことになるので、自分達でしっかりと考える必要があります。
・どのような補償をつけるのが良いか
・地震保険はつけるのか
・特約はどうするのか
保険の話は分かりずらいし、面倒と感じてしまうかもしれませんが、意外とそんなに複雑なことでもないのです。
自分の保険料が適正価格か判断するために
保険料については、適正価格なのか判断するために他社と比較することをおすすめします。
多少面倒でも複数の保険会社から見積もりを取ってみて下さい。
そうすることで、新築の物件情報と自分の希望を掛け合わせた火災保険・地震保険の相場が初めて分かります。
保険料を相場で説明してしまう事例
こんなケースをあちこちで耳にするので、一例をあげておきます。
相場で考えることが本当にいいことなのかを改めて見直してみて欲しいと思います。
~Aさんのケース~
私は保険に詳しくないし、考えるのも面倒くさいと思っていました。
ハウスメーカーとの打ち合わせ時
「火災保険は一般的な相場でいくと10年一括30万円くらいですね。」と言われ、そのまま契約と、支払いの手続きを済ませてしまいました。
しかし、家に帰って妻にその話をすると大激怒!!
「どんな補償を付けたの!?」
「どんな特約を付けたの?地震保険はついてる?」
「そもそも一括で支払う必要はある?」
妻の質問には一つも答えられませんでした…。
確かに、そう言われると疑問だらけです。
ハウスメーカーの担当者は何を基準に「相場」と言った?
すぐにハウスメーカーに連絡して契約内容をしっかりと確認しました。
幸い、内容は希望通りだったので良かったのですが…。
見当はずれな内容の保険だったとしたら、万一が起こったときに後悔していたかもしれません。
火災保険に「一般的な相場」は存在しません。
奥さんの怒りはもっともで、面倒だと思わずに自分できちんと考えておかないと、万一のときに困ってしまうかもしれません。
こちら側が保険のことを分かっていないとなると、ハウスメーカーと保険会社側のいいように保険の契約をさせられてしまうかもしれません。
保険会社を決める時の勘違い
保険会社を決めた理由で圧倒的に多いのが、ハウスメーカーさんがそこをおすすめしてきたから、言われるがままにという方が圧倒的に多いです。
なので、保険会社を自分で選べないと思っている方も案外多いのです!
しかし、ハウスメーカーさんなどがおススメしてくれる火災保険に決める必要はありませんし、一度入った保険でも乗り換えることも出来ます。
だからこそ、しっかりと知識をみにつけて、自分たちに合った保険を選べるように勉強していきましょう!
新築の火災保険の保険料はどう決められるのか
火災保険と地震保険の保険料は、物件によって異なります。
火災保険に関しては、地震保険をセットするかどうか、特約をつけるかどうかによっても保険料が大きく変わってきます。
地震保険は火災保険でカバーしきれない「地震による損害」を補償する保険です。
したがって、地震保険は単体で加入することはできません。
では、それぞれの保険料がどうやって決まるのか、順番に確認していきましょう。
火災保険の保険料を決定する項目は6つあります。
*建物の種類
*建築素材
*建物の価値
*補償内容
*保険金額
*保険期間
火災保険を含む損害保険には“利得禁止の原則”というものがあるから、保険料は慎重に決めなければいけないんだよ。
利得禁止の原則とは、「損害保険は損害の補てんを目的としてしているため、被保険者は保険によって利得を得てはならない」という原則です。
つまり、損害より大きな金額をもらって得しないように、きっちり決めておかなければならないということです。
この5つの項目について、それぞれ詳しく見ていきましょう!
【建物の種類】
建物の種類は3つに分けられます。
- T構造:耐火建築物(鉄筋コンクリートなど)
- M構造:マンション構造(共同住宅で耐火建築物)
- H構造:非耐火構造(木造建築など)
- T構造の耐火建築物
柱や床、屋根などの主要な構造部が耐火構造である建築物のことで、建築基準法第2条9号の技術的基準を満たしています。
- M構造のマンション構造
耐火構造であるマンション、アパートなどの共同住宅のことです。
建物には大小ありますが、ひとつの建物内に1世帯が生活できる戸室が2つ以上あり、その中に炊事設備がある建物であればM構造に該当します。
- H構造の非耐火構造
耐火対策をしていない木造住宅のことです。
【建築素材】
燃えやすいか、燃えやすくないかの違いと思ってもらえば、分かりやすいですね。素材によって火災保険料の保険料も変わってきます。
しかし、燃えやすい素材であっても耐火構造建築物の基準をクリアしていれば、火災保険料の保険料は低くなることもあります。
【建物の価値】
価値とは、建物の市場価値や評価のことです。
大きな家や階数の多い家、高価な材料でできた家等は保険料が高くなる傾向にあります。
【補償内容】
火災保険は、補償の範囲をどうするか、特約をつけるか、地震保険を付けるかによって保険料が変わってきます。
まず、火災保険の基本補償を確認してみましょう。
・火災:火災や落雷のに対する補償
・風災:台風や大雪に対する補償
・水災:洪水や豪雨に対する補償
・盗難:空き巣などの盗難に対する補償
・破損:偶然発生する事故に対する補償
保険会社によって異なりますが、これらの基本補償のうち「火災」はメインの補償として加入者全員についてくるもので、その他の補償はプランや希望に応じて選択するケースが多いようです。
保険会社によってどの補償が必須かは異なるので、確認してみましょう。
これらの補償の数が多ければ多いほど、保険料は高くなります。
【保険金額】
保険金額(補償額)を高く設定するほど、保険料は高くなります。
火災保険の保険金額は建物の評価額が目安です。
火災保険において、建物の評価額は再調達価格(新価)で計算されることがほとんどです。
保険の対象物と同等の物を新たに建築するために必要な金額で、時価から経過年数や使用による消耗分を控除した額のことです。
再調達価格は、建築費用、もしくは戸建ての構造や床面積・所在地などを基に計算されます。
【保険期間】
保険期間は1年から最長10年です。
保険期間が長期であるほど、保険料は割引になります。
保険会社によって異なりますが、最大1~2割安くなるようです。
また、保険料の払込方法によっても、割引率が変わってくることも覚えておきましょう!
①月払い
②年払い
③一括払い(すべて払う)
金額は大きくなりますが、長期を一括で支払うのが一番割引率が高いですね。
長期を一括で支払う時の注意点
計画期間が長くなると、こまめな見直しができないというデメリットもあります。
我が家も長期で一括のパターンで支払いました。 いくら払ったのかすらうる覚えでしたが、少し前に保険のことについて見直す機会がありました。 その時、保険内容も案外時代の流れによって変わるものだな‥と感じて、長期にして失敗だったかなと思いました。 なので、長期の割引率のみで決めてしまうのは気を付けた方がいいかもしれません。 |
最後に火災保険の特約について確認しておきましょう。
忘れがちな火災保険の特約について確認
特約については流れの中でも最後のほうに説明されるので、なるべく安く済ませたいという気持ちがあると、耳に入ってきていない可能性があります。
しかし特約は会社によって色んな種類のものがあり、他社との差別化をはかるために、ここに力を入れている会社もあります!
火災保険特約の注目点
中には特約を付けた方がポイントで返ってきてお得になるものもあります。
得になるのならしっかりとチェックして検討材料として知っておきたいところですよね。
・個人賠償責任保険
・類焼損害保障特約
*特約だけの加入はできません。
- 個人賠償責任保険
日常生活において損害賠償責任を負うことによる損害を補償してくれます。
例えば) |
上述であげた補償内容は例であり、一部です。
自転車保険などは、自治体レベルで自転車保険加入義務化になったので、ついていて損はないですよね。
個人賠償責任保険の見落としがちな点
個人賠償責任保険は、火災保険以外の損害保険にも特約としてついている場合がありますので、二重にならないように確認しておきましょう。
- 類焼損害補償特約
自宅からの出火により、近隣が類焼した場合の補償です。
次に、地震保険について確認してみましょう。
不動産やハウスメーカーに勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
新築の地震保険の保険料はどう決められるのか
地震保険の保険料を決定する項目は主に2つあります。
- 建物の種類
- 保険金額
- 建物の所在地
【建物の種類】
火災保険と同様に、T構造・M構造・H構造によって保険料が異なります。
【保険金額】
火災保険と同様に、保険金額によって保険料は変わります。
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で任意に定めます。
ただし、建物は5000万円、家財は1000万円が上限となります。
【建物の所在地】
地震保険は建物の所在地によって保険料が大きく異なります。
地震や津波の過去の被害や、今後危険性が高いとされている地域などは保険料が高く設定されています。
次の図は、地震保険の都道府県別の保険料(保険期間1年)を示しています。
~保険金額1,000万円あたりの保険料~
都道府県 | 保険料 (鉄骨・コンクリート造建物) |
千葉県・東京都・神奈川県・静岡県 | 25,000円 |
埼玉県 | 17,800円 |
茨城県・徳島県・高知県 | 15,500円 |
愛知県・三重県・和歌山県 | 14,400円 |
大阪府 | 12,600円 |
愛媛県 | 12,000円 |
宮城県・山梨県・香川県・大分県 宮崎県・沖縄県 |
10,700円 |
福島県 | 8,500円 |
北海道・青森県・新潟県・岐阜県 京都府・兵庫県・奈良県 |
7,800円 |
その他20県 | 7,100円 |
参照:財務省HP
地震が起こった時被害額が大きいと予想される都心や、地震の起こる確率の高い「南海トラフ地震」の被害予想地域なども都道府県名が挙がっていますね。
火災保険・地震保険の必要性
火災保険の必要性は、何となくご理解いただけていると思いますが、自分が起因する火災だけではありません。
「隣から出火して自分のお家まで延焼」という場合
隣りのお宅が軽過失による出火ということであれば、被害を受けた我が家の損害は賠償されません。
これは民法で定められた失火責任法というものがあるからです。
失火(過失による火災)の場合は、重大な過失の場合を除いて損害賠償はしなくて良い、と定められた法律のことです。
ポイントとしては、軽過失か重過失かというところです。
- 軽過失
小さな子供による事故、ガス漏れや漏電、落雷などの自然災害、放火などの防ぐことが困難な原因
- 重過失
タバコの不始末、揚げ物の途中で火元から離れた、電熱器を長時間布団に入れていたなど、少しの注意で防げることを怠った原因
火災保険の注意点
「絶対に自分では出火しないから火災保険は最低限で良い!」という考え方は危険です。
隣家が軽過失による出火で、自宅が被害を受けたとなった場合、隣家が損害を賠償してくれる訳ではなく、自分で自分の家を直さなければなりません。
【火災保険の補償を最低限にして後悔!】 ~友人のケース~ 【火災保険の契約時】 「自分は絶対に火を消し忘れないし、タバコも吸わない。 必要ない補償をやめて、保険料の節約になったと満足していたのですが・・・ 【火災発生】 友人の加入している火災保険ではとても賄いきれない損害です。 「お隣さんが原因なんだから、当然賠償してもらえるだろう」と簡単に考えていたのですが、保険会社の担当者から連絡があって驚きました! 【まさかの事態に!】 「隣家の方は類焼損害・失火見舞い費用補償特約(※)をつけていなかったようです。 結局友人は、かなりの費用を自分で負担する羽目になったといいます。 【こんなはずじゃなかった!】 こんなことなら、火災保険の補償をもっとしっかりつけておけばよかった・・・と後悔したそうです。 |
(※)類焼損害・失火見舞い費用補償特約・・・自宅からの出火により、ご近所の住宅や家財に損害が発生したときの補償
友人は隣家の出火で損害を受けて、自分が費用負担しなければならないケースは想定していませんでした。
火災保険も地震保険も、生命保険と同じく「備えることに安心」があります。
せっかく建てた一軒家のために、そして、これから何年も家族を守ってくれる家のために、しっかりと考えていきたいものですね。
今の火災保険で本当に大丈夫ですか?
さいごに
火災保険、地震保険に一般的な相場はありません。
保険は、自分に降りかかるまさかの事態に備えるものです。
自分が支払う保険料の「相場」を知りたいと思うのは当然ですが、まずは自分自身でしっかりと保険について考えてみてください。
火災保険や地震保険の保険料がどのように決まるのかをきちんと知って、ぜひ、万一のときに本当に役立つ保険に加入してくださいね。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
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