皆さん火災保険について、しっかり内容を理解し検討・加入されていますか?
住宅を購入されるときや、賃貸で住み始めるときに検討するのが火災保険で、大多数の方が加入しています。
その為、入らなければいけないとは分かるものの、数多くの保険会社からどれを選べばいいのかを、決められないという方が多くいるのが現状です。
火災保険は、専門性の高い分野です。
今検討している火災保険は、本当に自分に合ったものですか?
何もわからないからと、不動産屋が提案した商品を、
「内容は分からないけど専門の人が勧めてくれたからきっといい保険なんだろう。」と思い入っていませんか?
その保険、損をしているかもしれませんよ。
ここでは売買契約・賃貸契約されるタイミングの方向けに、火災保険の基礎知識とポイントを抑えながら説明します。
基本知識を踏まえ自分にあった火災保険を選び、損をしないようにしましょう。
読み終えるころには、きっと自分にあった火災保険を選べるようになっています!
目次
【火災保険】過去の大規模火災から学ぶポイント
皆さん、火災保険はなぜ必要なのだと思いますか。
不必要なものではないかと思っている方向けに、具体例を用いて説明します。
新潟県糸魚川市大規模火災から学ぶ
平成28年12月22日、新潟県糸魚川市で発生した大規模火災を覚えていますか。
鎮火に至るまでに要した時間はなんと30時間でした。
当時、ニュースでこの火災の様子を見た時は、「これが本当に日本でおこっていることなのか」と、愕然としたのを覚えています。
死者は出なかったものの、焼損棟数147棟(うち全焼120棟、半焼5棟、部分焼22棟)被害者145世帯260人56事業所、被害が及んだ地域4万平方メートルと凄まじい損害を与えた大火災です。
火災の原因は、中華料理店の鍋の空焚きです。
ではなぜ、被害がここまで拡大してしまったのでしょうか。
①当日強風だった
②木造密集地域だった
この二点が挙げられています。
昭和初期に建てられた防火構築に該当しない木造住宅9割が立ち並んでおり、火災に対して性能が低い地域でした。しかし1割は比較的近年建てられた建物です。そして消防車両が通れるだけの幅の道路は整備されていたといいます。
このような地域は、身近にありませんか?
また糸魚川が通常風が強い地域というわけでもないのです。
このことから考えると、
”たまたま鍋の火の消し忘れをしてしまい、
たまたまその日は強風で、
たまたま木造住宅が多いエリアだったから大火災になってしまった。”
ということになります。
これってどこにでも、起こり得ることですよね。
当り前ですが、鍋の火の消し忘れなどないように自分で確認しなければなりません。
しかし、隣人の火の不始末までは確認することはできません。
約半数の人が【火災保険】に入っていなかった!?
147棟もの建物が燃えてしまった大火災ですが、なんと、被害に遭った人の半数の人が火災保険に未加入だったのです。
年の暮れの寒い時期に、家を失い、暖房器具はもちろんのこと、布団や防寒具などもなくなってしまった。想像以上の苦労をされたと思います。
「火災保険に加入していれば…。」と改めて痛感された方も多くいらしたでしょう。
火事に遭ってしまった時の命運を分けるのは火災保険による補償です。
【火災の補償】 火災保険には2つの補償があります。(下記の保険の対象で詳しく説明していきます。)
両方を補償してくれる火災保険に加入していた場合 ●家を再建するためのお金と、家具などの家財を買うお金が支払われます。 建物本体のみの補償しかない火災保険に加入していた場合 ●住宅再建の資金は支払われても、家財に対する補償はない。 ●家具・家電・生活用品・衣類、今まであったものが全てなくなり、全て自分で再度調達しなければならずかなりの損失になります。 火災保険未加入の場合 ●当然ですが何も補償されません。 |
火元が悪いのだから損害賠償請求すればいいと思われる方がいると思いますが、実は故意・重大な過失がなければ補償しなくていいという失火責任法という法律があります。
<失火責任法とは>
不法行為責任の一般原則について規定した民法709条によれば、失火により他人に損害を与えた場合、失火者は、その失火につき「故意又は過失」があれば損害賠償責任を負うことになるはずである。しかし、日本には木造家屋が多いという事情があったことから、この規定をそのまま適用すると失火者に過大な責任を課すことになることが問題とされた。そのため本法が制定され、失火(軽過失)による不法行為の場合は民法709条を適用せず、「重大ナル過失」(重過失)がある場合のみ損害賠償責任を負い、軽過失による失火の場合は損害賠償責任を負わないとされた。なお、「故意」の場合はそもそも「失火」に当たらないので本法は適用されず、本則である民法709条が適用される。
引用:Wikipedia
加入しておいたほうがいい!【火災保険】の必要性
火災保険は任意であり、強制的なものではありません。
車の保険を例にすると、誰しも交通事故を起こすつもりで保険に加入しているわけではありません。万が一の時に備えて車を所持している人のほとんどが加入しているのです。
確率としては、交通事故に遭うよりも、火事に巻き込まれることのほうが低いかもしれません。しかし、巻き込まれてしまった場合の被害を考えると、図り知れません。
車がなくても、代わりとなる移動手段はありますが、家がなくなってしまった場合、すぐに代わりの住まいが見つかるでしょうか。
大切な資産を守るためには、マイホームを購入する際には、必ず加入することをお勧めします。
火元だった場合と他から火事をもらってしまった場合について見ていきましょう。
火元の場合 自宅から出火し、建物が全焼して家財が使用できない状態になってしまった。 このような場合、火災保険に加入していないと、再度生活を立て直すために、家を建て替える費用や家財を購入する費用が莫大にかかってしまいます。 火災に合う確率は低いものの、もし遭ってしまった場合、生活再建が困難になります。 その為、火災保険加入は必須です! |
もらい火事の場合 近隣の住宅から火事が発生し、もらい火事に遭った場合。 もしも出火元が火災保険に加入していて、自分が火災保険加入していなかった場合。 失火責任法によって、隣人は賠償責任を負わなくてよいということになりますし、この消火活動に伴う水漏れ被害に対しても賠償を受けることはできません。 |
こうなったら悲惨ですね。
火災以外でも補償される
「火災保険」は字の通り、火事に遭った時補償してくれる保険ですが、それだけではないのです。火災以外の、自然災害や災害以外の事故なども補償されます。
災害が起こった時に後悔しないためにも火災保険に加入することをおすすめします。
火災保険の重要性がわかってきたところで、ここからは火災保険を選ぶ決め手となるポイントについて説明していきます。
【火災保険】決め手となるポイント①保険の対象
火災保険の対象は3種類、「建物のみ」、「家財のみ」、「建物・家財の両方」です。
「建物」
例えば) |
「家財」
例えば) |
内容を理解しておくといいですね。
ここがポイント
保険会社によって多少内容が違います。建物は動かせないもの、家財は動かせるものと簡単に理解していただき、保険会社を絞り込んだ際には、内容を確認してください。
【火災保険】決め手となるポイント②構造級別
火災保険の保険料は、建物がどのような構造をしているかでおおきく左右されます。
燃えやすい構造でリスクが高い建物は保険料が高くなります。
逆に燃えにくい構造の建物はリスクが低くなり保険料が安くなります。
M構造⇒耐火構造の共同住宅(マンション)
T構造⇒耐火構造(鉄骨造住宅)
H構造⇒非耐火構造(木造住宅)
火災保険の保険料を算出するうえで、構造級別は必須項目となります。
保険料の高い順番 H構造(木造住宅)⇒T構造(鉄骨造住宅)⇒M構造(マンション)となります。 |
ご自身の住宅が、どれにあてはまるか確認し、分からない場合は建物の仕様書や設計書、ハウスメーカーに確認してください。
【火災保険】決め手となるポイント③補償の範囲
補償には基本の補償とオプションの補償があります。
基本の補償とは 火災保険に加入すれば自動的についてくる補償です。 |
オプションの補償とは 自分で選べる補償になります。 |
つまり、補償の範囲とはオプションをどのくらい追加するか、もしくは省くかということです。なのでたくさんの範囲を補償したい場合の保険料は高くなりますし、オプションを少ししかプラスしないのであれば保険料は安くなり節約できます。
【補償の範囲と内容】
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オプションで悩まれる方が多く、また火災保険を損しない為にもじっくり検討する必要があります。
漏水のオプションに入るか悩まれている場合、マンションに住む方や戸建てで二階に洗濯機を置く方は加入することをお勧めします。
また保険会社により、基本の補償とオプションの補償が多少異なるため確認も必要です。
家を建てた時に火災保険に入りましたが、保険料を抑えるために破損・汚損なんて多分ないだろうと思っていたので補償範囲から外していました。
しかしTVを買った直後に兄弟げんかをしてTVを壊してしまったそうです。
後から固定しようと思っていてすっかり忘れてしまっていました。
「何であのとき補償範囲から外してしまったんだろう。」と、友人はかなり後悔していました。
【火災保険】決め手となるポイント④保険金額
新価とは、同等のものを建築したり購入したりするとき、必要になる金額です。
時価とは、新価から経年劣化分を引いた金額です。
例えば) 10年前に3000万円で家を購入し、火災に遭ってしまったとします。 【新価の場合】 もし物価上昇していて、現在同等の住宅を建てるとしたら3500万円かかるとします。 【時価の場合】 同じ条件で経年劣化分を引かれます(ここでは1000万円とします)。 |
最近では、時価を選ぶ火災保険は少なくなっています。
【火災保険】決め手となるポイント⑤保険期間と保険料の払い込み方法
火災保険の保険期間は、1年から10年の間で設定します。
【払い込み方法】
一年契約の場合 |
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長期契約の場合 |
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一年契約の場合、一括で支払う方が割安です。
長期契約の場合、
長期一括払いが一番お得ですが、まとめて高額の支払いとなるため、ゆとりが無い場合はやめましょう。
次に割安なのが長期年払い、一番割高なものが毎月払う長期払いとなります。
【火災保険】決め手となるポイント⑥地震保険も加入する?
地震保険とは、地震・噴火・これによる津波が対象です。
単独では地震保険には、加入できません。必ず火災保険とセットになります。
また、地震が原因でおきた火災は、火災保険は支払われません。
このことを考えると、必ずセットで加入することの重要性がわかります。
地震保険料はどこの保険会社でも保険料は同じ?
意外と知られていないことですが、地震保険は官民共同の保険なのでどこの保険会社で加入しても保険料や補償内容はすべて同じです。
地震による損害額が多額になるため、保険会社だけで運営することができないのです。そのため、政府が関与して保険会社が保険料を払えなくなるリスクをカバーしています。
そのため、「半公的保険」ともいわれています。
地震保険の保険金額は火災保険の金額の30%~最大50%までの設定しかできません。
例えば) 2000万円の火災保険に加入した場合は、地震保険の保険金額の上限は1000万円になります。 もし、全損と認定されても1000万円までしか保証されません。 そのうえ、災害が起こった時の建物の時価が経年劣化によって下がっていたら受取金額も減ってしまいます。 |
これだけでは、補償が足りないと思う方には、民間の火災保険に「地震危険等上乗せ特約」と「地震火災費用特約」の2つのタイプの特約を販売しているところもあります。
それぞれ、50%の上乗せになり、100%の補償を受けることができます。
ただ、保険料も決して安くはないし、掛け捨てとなるのでご家庭の経済状況を考えながら加入するかを決めましょう。
毎日、日本全国各地で地震は起こっています。
いつどこで大きな地震がおこるか、正確に予測することは難しいです。私たちは常に地震と隣り合わせの生活です。
まとめ
火災保険の決め手は、やはり保険料です。まずは、見積もりを一括請求しましょう。
これから始まる新生活、安心を買うための火災保険です。手厚い補償にしすぎて生活が苦しくなってしまっては本末転倒ですね。
火災保険の決め手のポイントを参考に、住む地域、家族構成などを考えて本当に必要なものなのか見極めてください。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
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