新築のマンションに入居予定の方、楽しみですね。
「どんな部屋にしようかな?」
「家具、家電を新しく買おうかな?」
など、夢いっぱいの生活を想像されていることと思います。
それと、合わせて火災保険も考えてみませんか?
「マンションの火災保険ってどんなもの?」
「どこまで補償すればいいのだろう?」
今回は、そんなマンションの火災保険の疑問を解消したいと思います。
これからの楽しいマンションライフのためにしっかりした知識を身に付けて家を守りましょう。
目次
新築マンションの火災保険【自分にとって必要な補償】
新築マンションの火災保険の補償には、様々な補償があります。
どんな補償をつけるのが良いか、悩みますよね。
火災保険には、必要な補償と、つけるかどうか検討すべき補償があります。
補償選びで大切なのは、この2つの補償をしっかり確認して、自分にとって必要な補償は何かを見極めることです。
一般的にマンションの火災保険で補償できるものには次のようなものがあります。
- 火事・爆発
- 水災
- 風災・雪災
- 漏水
- 盗難
- 第三者および居住者に対する損害補償(個人賠償責任特約)
このうち、どの補償が必要で、どの補償がつけるかどうかの検討が必要なのか順番に見ていきましょう!
マンションの火災保険に必要不可欠な補償
まず、火災保険の補償のうち「火事・爆発」はメインの補償としてそもそも必須となっています。
例えば、次のようなケースは、すべてマンションの火災保険で補償できます。
- ベットから落ちた布団にストーブの火がついた
- 落雷でコンセントにつないだテレビが壊れた(※)
- ガス漏れに気づくことなく火をつけて爆発した
- 仏壇のロウソクが倒れて失火した
- コンセントにたまっていたホコリに引火した
(※)家財が補償の対象に含まれている場合
こんなケースもある
マンションは部屋が密接しているので、いくら自分が気を付けていてもすぐ隣や上の階の方が火災を起こすことがあるかもしれません。
その他につけるべき補償は「漏水」・「盗難」です。
特にマンションにお住まいの方でトラブルが多いのが、漏水だと思います。
こんなことがありました。
〜Aさんのケース〜
【原因】
私はマンションの1階に住んでいます。
すぐ真上の部屋に住む佐藤さんはかなり高齢です。
ある日、佐藤さんはお風呂に湯をためようとして蛇口を捻ったまま忘れてしまいました。
【結果】
排水が追いつかず、洗面所も水浸しになり、それでも気づかなかったので階下の私の部屋へ漏水してしまいました。
ちょうど真下の部屋のエアコンがある部分に漏水したため、エアコンは濡れて動かなくなってしまいました。
上の階の人とのトラブルの対処法
こんなとき、どう対処すればよいでしょうか?
まずは、すぐに管理会社や管理組合に連絡し、対応してもらいましょう。
証拠があった方が良いので、写真や動画をとっておくことをオススメします。
このようなケースでは)
この壊れたエアコンの損害に対し、修繕もしくは買い替えに火災保険を使うことができます。
相手の上階の佐藤さんに損害賠償を請求することも可能です。
この場合は漏水ですが、同じように他の居住者の不注意による火災で自分の居住スペースが被害にあった場合は、火元の居住者に対して損害賠償は出来ないことになっています。
これは、失火責任法という法律があるためです。
この法律は、軽過失(不注意)によって発生した火災の損害については賠償責任を負わないと定められています。
なぜかというと、昔は一般的だった木造家屋で軽過失責任での損害賠償を認めると、過酷な賠償を負うことになったからです。
つけるかどうか要検討が必要な補償
あなたにとって必要のない補償はつけなくても良いのです。
必要なものだけに絞って補償内容を考えていくと、保険料を安くすることが出来ます!
では、つけるかどうか検討が必要な補償はどのようなものがあるのでしょうか?
それは「水災」・「風災・雪災」と、個人賠償責任特約です。
【水災・風災・雪災】
これらはどこでも起こりうる火災や漏水と違って、地域性リスクといえます。
- 水災
台風や暴風雨を原因とした洪水・土砂崩れ・高潮などによる損害のことです。
例えば、こんな場合です。
- 台風で近くの川が氾濫し、床の上まで浸水し家具も水浸しになった。
- 集中豪雨による土砂崩れで、家の中に土砂が流れ込み被害にあった。
- 豪雨により裏山で土砂崩れがおき、建物に土砂が寄りかかり建物が傾いた。
- ゲリラ豪雨でマンホールの排水が追いつかず、浸水被害にあった。
- 集中豪雨のさなかに雨漏りがおこり、家具が台無しになった。
- 記録的な大雨により高潮が発生し、海水が防波堤を超え被害にあった。
- 記録的な大雨で土石流が発生し、家が流されてしまった。
家がこんな場所の場合はマンションの火災保険が必要
・近くに土砂崩れが起きた時に被害にあいそうな場所
・1階や2階に住んでいて浸水被害にあうかもしれない場所
そうでない場合は補償をつけるかどうか検討してみましょう。
水災の情報については、地域のハザードマップで確認してみると良いですね。
- 風災・雪災
「風災とは?」
台風や突風、竜巻、暴風などの強い風による災害のことです。
台風による強風注意報・暴風警報が頻繁に出されるような地域では必要ですが、それ以外の地域ではつけないという選択肢もあるかもしれません。
「雪災とは?」
積もった雪の重みで屋根が損害した場合(家財が対象のケース)などの補償です。
積雪がかなりある地域以外は、必要ないかもしれませんね。
【個人賠償責任特約】
個人賠償責任特約とは、個人賠償責任保険の内容を特約という形で火災保険つけて契約するものです。
個人賠償責任保険とは、個人が人にケガをさせてしまったとか、ものを壊してしまったなど法律上で損害を賠償しなければならない事故を起こしてしまった場合に備える保険です。
個人賠償責任特約は火災保険だけでなく傷害保険、自動車保険、自転車保険などにも特約としてつけることができます。
もしすでにこれらの保険に特約をつけている場合は、補償が重複してしまうので、火災保険で改めて特約をつける必要はありません。
では、どんな事故が補償されるのでしょうか。
故意(わざと)ではなく、ケガをさせてしまったり、壊してしまったりした場合の相手への治療費や慰謝料などが補償の対象になります。
補償される場合と補償され場合の具体的な例をあげておきます。
【補償される例】
|
【補償されない例】
※このような場合は補償されませんので気を付けましょう。 |
個人賠償責任特約は、加入者とその家族も対象になります。
日常生活を守る特約なので、他の保険でつけていない場合は、火災保険の特約としてつけることをオススメします。
マンションの火災保険の仕組みがまる分かり!
火災保険とは、火災の他に風災、雪災、水災、盗難等によって、住宅や家財に損害を受けた場合、保険金が支払われる損害保険です。
火災保険の対象は以下の3つのパターンから選ぶことが出来ます。
①「建物」のみ
②「家財」のみ
③「建物」と「家財」の両方
家財とは、テレビや冷蔵庫などの家電製品、家具、食器、衣類などのほか、宝飾品や美術品なども補償対象になります。
ただし、1個、もしくは1組の価額が30万円を越える宝飾品などは、契約時に申告して証券に明記する必要があるので気を付けてください。
火災保険について詳しくはこちらも合わせてご覧ください。
マンションの火災保険特有の部分分けは確認が必要
分譲マンションの火災保険を考える時、まず知っておいてもらいたいことがあります。
それは、マンションは共有部分と占有部分に分けられるということです。
マンションの場合は、建物のうち、自分の居住スペースの占有部分の損害と家具や家電などの日用品の「家財」の損害に保険をかけます。
~共有部分と専有部分の違い~
共有部分 | 占有部分 | |
加入方法 | 火災保険は管理組合が加入する。 | 火災保険は自分で加入する。 |
特徴 |
エレベーター、階段、エントランスホールなど占有部分に属さない建物部分のこと。 新規加入や条件変更などは管理組合の総会決議が必要。 |
リビング、寝室、トイレなど自分が住んでいる居住スペースのこと。 自分で保険会社を選び、手続きをして加入する必要がある。 |
マンションの火災保険において、共有部分と専有部分の範囲の決め方には2種類あります。
- 上塗り基準・・・壁の内側の面積を基準とするため、ドアや壁は共有部分になります。
- 壁芯基準・・・・壁の中心線を基準とするため、ドアや壁は専有部分になります。
一般的には上塗り基準が採用されていますが、どちらの基準を採用しているのかは保険会社により異なるため、確認が必要です。
建物の保険金額~マンションの評価額で保険が高くなる?!~
もうひとつマンションの火災保険において、戸建てと異なる点があります。
それは、マンションの評価額です。
評価額とは購入価格のことです。
ここで注意すべき点が2点あります。
- マンションは購入価格には土地代が含まれている
マンションの場合は戸建てと違い、土地と建物を別々に購入するわけではないので、購入価格に土地代が含まれています。
- マンションの建物の価格には専有部分と共用部分両方の価格が含まれている
先述したように、マンションの火災保険をかけるのは自分が居住する専有部分のみでしたね。
戸建ての場合は単純に建物の価格=評価額なのですが、マンションの場合は共有部分を除く必要があることを知っておきましょう。
「評価額の基準について」
評価額の評価の基準には時価と新価があります。
- 新価(再調達価額)=同じ物件を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額
- 時価=新価から経年劣化による価値の減少と使用による消耗分を差し引いた金額
時価で契約すると建て直しのための費用を十分に賄えない可能性があるので、新価、つまり建物の購入金額で契約することが一般的です。
【マンションの建物評価額の計算方法】
マンションは土地と建物をまとめて購入するため、建物だけの購入金額が分からない場合が多いです。
その場合は購入した際にかかった消費税額から建物の評価額を逆算することが出来ます。
これは、土地代には消費税がかからないためです。
建物の評価額=消費税額÷0.08
そして、この建物の評価額には共有部分が含まれているため、除きます。
火災保険における評価額=建物評価額ー共有部分評価額
建物のみの購入価格が分かっている場合は、建物の購入価格が建物評価額になります。
火災保険の保険金額は、建物評価額と同水準になるように設定するのが通常です。
なぜなら、保険金額(受け取れる金額)の最大値はマンションの建物評価額だからです。
火災保険は、被った損害の補償を受けるものであり、生命保険と違って、設定した保険金額すべてを受け取ることができるわけではありません。
保険金額が建物評価額を超えている場合、その保険金額に対する保険料はムダになってしまいます。
【超過保険になっている場合】 ~友人のケース~ 先日、マンションに住んでいる友人から相談を受けました。 このマンションは数年前に3,000万円で購入したんだけど、保険金額を4,000万円にしてみたんだ。こんなに必要なかったかな。」 私:「ええ!それは超過保険になっているよ!」 友人:「超過保険って何のことだい?」
友人は超過保険について知りませんでした。 ところが先日、友人は保険の代理店の方に「これでは保険金額が少なすぎて万一の際に役に立ちませんよ」と言われました。 それもそうだと思い、インターネットで保険会社を比較し、自分で火災保険を契約しなおしたそうです。 友人には超過保険だとその分の保険料がムダになることを説明し、急いで火災保険を再度契約し直すようすすめました。 |
マンションの購入金額3000万円を越える部分は超過保険になり、保険金は支払われません。
超過している部分はムダということになりますね。
不動産やハウスメーカーに勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
マンションの火災保険に加入するときの注意点!
では実際に、火災保険に加入するときに知っておきたいポイントを確認していきましょう。
マンションを購入するときには同時に火災保険に加入することが一般的ですが、どちらの保険会社にするかは自由に選ぶことが出来ます。
- 保険契約は専有部分と共用部分で異なる
- 火災保険の契約年数
- 補償内容、立地、建物の評価額によって保険料が変わる
【保険契約は専有部分と共有部分で異なる】
マンションの共有部分は管理組合が加入します。
自分で加入が必要なのは占有部分の建物と家財の火災保険・地震保険です。
【火災保険の契約年数】
火災保険の契約年数は1年から10年まで自由に選ぶことができます。
10年など長期契約をすると1年ごとに契約を更新するよりも保険料の総支払額が安くなります。
更新する手間もかかりませんね。
10年一括払いの注意点
ただし、10年分の保険料を一括で払うので、1回の支払負担が大きくなることと、10年間は補償の見直しをする機会がないので、注意が必要です。
【補償内容、立地、建物の評価額によって保険料が変わる】
- 補償内容
保険料はどんな補償をつけるかによって変わります。
- 立地
マンションの立地によって地域リスクが異なるため、保険料も変わってきます。
こんな場合は保険料が高くなる
例えば)過去に合った事例も含め
・台風被害が多い地域
・水害リスクが高い地域
- 建物評価額
上述したように評価額が高く低いでも変わってきます。
こんな場合は保険料が高くなる
例えば)
・超高層マンション
・高価な設備を導入してる等の高級マンション
(建物評価額が高いとみなされる)
マンションの火災保険に加入する時の4つのステップ
火災保険に加入することを決めた方、相談する時に以下のステップで決めれば、ムダのない火災保険に加入できること間違いなしです。
【マンションの火災保険に加入する時の4つのステップ】
1、保険の対象を決める
建物と家財、どちらかにするのか、両方とも対象とするのか決めましょう。
2、必要な補償の範囲を決める。
火災、地震、水災、漏水、特約など本当に必要なものを選びましょう。
3、保険金額を決める。
マンションの評価額を越える保険金額はムダです。
必要な保険金額になっていますか?
4、保険期間を決める。
1年から10年まで設定出来ます。
保険を勧められるがままに加入していませんか〜一括見積もりのススメ〜
マンションの購入時に住宅ローンとセットで火災保険に加入する方は多いと思います。
それは、ほとんどの金融機関が火災保険の加入を義務付けているからです。
しかし、必ずしも金融機関の方に提案された中から選ばなければならないということはありません。
火災保険を申し込む際には、分からないことはひとつひとつ確認しておくことです。
「本当に必要な補償内容になっていますか?」
「保険料はもっと安くなりませんか?」
もしかしたら、他にも良い火災保険があるかもしれないと思った方、複数の保険会社から見積もりを取ってみることをオススメします!
保険会社によって保険内容や保険料は変わってきます。
今はインターネットで簡単に見積もりを複数の保険会社からもらうことも出来ます。
わざわざ複数の保険会社に出向くことなく、一気に保険料の比較ができるのでオススメです。
マンションに地震保険はつけるべきなのか
ご存知ですか?
火災保険だけでは地震や津波による損害に対して補償を受けることが出来ないんです。
地震や噴火による、火災、損壊、埋没や津波を原因とする流失の損害を補償してくれる保険のこと。
被災後の当面の生活を支えるのに大きな役目をはたします。
地震保険のポイントは4つあります。
1、火災保険とセットでないと加入できない
地震保険は単体で申し込むことはできず、火災保険の加入者のみが加入することのできる保険です。
2、公共性の高い保険
国と損害保険会社が共同で運営している保険のため、大規模な地震が起こっても保険金の受け取りが出来ます。
3、保険金の使い道は自由
地震保険は住宅を立て直すための保険ではなく、生活を立て直すための保険です。
壊れてしまった家具や家電などの日用品(家財)の買い替えに使えます。
4、割引制度がある
地震保険には建物の免震・耐震性に応じた割引制度があります。
マンションの場合、免震・耐震性能に優れていることが多いので地震保険の割引制度の利用で保険料を安くすることができるかもしれません。
地震保険について詳しくはこちらをご覧ください。
マンションの地震保険で押さえておきたいのは以下の2点です。
-
建物だけでなく家財も重要
特に、高層階では長周期地震動での揺れが大きくなりがちで、建物には被害がなくても家財に大きな損害を受ける可能性があります。
- 被害の認定
マンションの場合は、地震が起きた時に共有部分がどのくらい被害がでたのかを認定します。
そして、それを基準に占有部分も同じだけ被害がでたと認定されるのです。
最近の新築マンションは耐震性に優れており、よほど大きな地震でない限り、建物への被害は少ないかもしれません。
ただし、地震により壊れた家財を貯蓄などで買い直すのは厳しいという場合は地震保険の加入を検討してみましょう。
今の火災保険で本当に大丈夫ですか?
さいごに
今回は、マンションの火災保険について考えてみました。
新しいマンションでの暮らしを自然災害などから守るために火災保険は必要だと思います。
マンションの火災保険に加入するには正しい知識が必要です。
正しい知識であなたにとって必要な補償を見つけてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
比較してもらうと自分に合った最安値の火災保険を見つけることができます。
無料でたったの3分で出来るのでやらない手はないですよ!
火災保険を安くするコツ
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