一戸建てを購入する際、注文住宅を想像する方が多いのではないでしょうか?
建売住宅だと自分の好みにデザインできないし、出来上がる工程を見ていないから不安、と敬遠する人もいます。
果たしてそうでしょうか?
デザインが決められないとは言っても、きちんと目で見て確かめて、気に入ってから購入するものですよね。
出来上がる工程を見ていないというのも、逆に注文住宅なら逐一チェックするのかと言えばそうでもないと思います。
建売住宅にしかないメリットはたくさんあります。
ただし、建売住宅を購入するにあたっては、注意すべき点を押さえておく必要があります。
この記事を読んで建売住宅を購入する際の注意点と建売住宅のメリットをしっかり確認し、ぜひ失敗しない建売住宅選びをしてください!
目次
新築の建売住宅を買う時に注意したいポイント
「建売住宅とは」
自分たちで間取りやデザインを決める注文住宅とは違い、すでに出来上がっている物件の事です。
建売住宅はオーダーメイドでないとはいえ、せっかく夢の一軒家を購入するのだから、失敗したくないですよね。
後悔しないために、建売住宅を購入する際の注意点を確認していきましょう。
建売住宅の購入で注意するポイントは次の4つです。
- 悪質な業者ではないか
- オプションの種類と追加工事
- 建物の素材や構造
- アフターサービスの有無
順番に詳しく見ていきましょう!
販売業者が悪質業者ではないか見極める
販売業者が悪質かどうか見極めるためのポイントは2つあります。
- 無理に契約を急かすことがないか
- 仲介手数料を明示しているか
【無理に契約を急かすことがないか】
建売住宅はすでに完成した建物を販売しているケースが多いため、販売までに時間がかかるとその分管理の手間がかかります。
在庫をかかえているようなイメージですね。
完成済みの物件はとにかく売らないことには儲けが出ないため、業者が契約を急かしてくる場合があります。
口車に乗せられないように要注意
買主の気が変わってしまう前に契約したい、他社に先に売られてしまうのを避けたい、そういった心理が働き、こちらの細かい質問を上の空で聞き流すような業者もあります。
「いい物件ですので迷っているうちに誰かに買われてしまいますよ」などと言われても、きちんと聞くことは聞いておきましょう。
もしもその人の言うように誰かに先を越されてしまっても、それは自分にはご縁がなかった物件です。
急かされて購入してしまうよりも、きっといい物件が見つかりますよ。
見落としがちな注意点
契約の際にきちんとした内容の資料を準備し、説明してくれるかも重要なポイントです。
資料や情報の不足は徹底的に追及しましょう。
例えば)
販売業者が作成する設備資料にはよく「標準仕様」と書かれたものがあります。
「標準」というのは会社によって違ってくるもので【国が決めたもの】のような大きな基準がありません。
会社の基準をきちんと説明できる業者であれば良いのですが、単に細かい説明を省くために「標準」と言っていることもあるので、どういった内容になっているかは契約前にしっかり確認しておきましょう。
【仲介手数料を明示しているか】
建売住宅を購入する際は、誰が販売しているのかを確認することが重要です。
なぜなら、業者が不動産会社に販売を委託している場合、仲介手数料が発生するからです。
業者によっては、この仲介手数料をとりたいがために、わざわざ不動産会社を経由して「仲介」という形をとるケースもあります。
もちろん、業者が直接販売すれば仲介手数料は発生しません。
仲介手数料の注意点
いい物件が見つかったら、本当に「仲介」でしか販売されていないのか、業者が直接販売に関わっていないかきちんと確認しましょう。
仲介手数料の要注意点
仲介手数料のとりすぎで政府から指導を受けているような業者も存在するようなので要注意です。
仲介手数料は次のように計算します。
仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税
*売買価格=土地代+建物代金(消費税抜き)
例えば)
土地と建物合わせて3千万の場合、約100万ほどです。
損しないために出来る対策
仲介手数料は素人の私たちには分かりづらく、わざわざ計算しようとは思わないかもしれません。
しかし、仲介手数料で損しないために、自分で計算してみることはとても大切です。
仲介手数料の計算をしてみることが大切だというお話を一つご紹介します。
~建売住宅を購入した:ご近所Aさんのケース~
不動産屋からは仲介手数料に関して説明が無かったので、仲介手数料が無料の不動産屋なんだと思い込んで契約までしてしまいました。
ところが!
引き渡しが済み、落ち着いたところで金額の明細を確認をしていて驚きました。なんと、小さい字で仲介手数料の記載があることに気づいたのです。
そこで!
説明がなかったことを不信に思い、仲介手数料について調べて試しに計算してみると、手数料額が合いません。
なんと!!
計算式の売買価格が税抜きで計算すべきところを、税込みで計算されており、本来より高額な手数料となっていました。
「なんていい加減なんだ!」
「手数料説明もなかったし、もしかしてわざとでは?」という大きな不信感が湧き出てきました。
返金を申し出るつもりですが、せっかくの新築に苦い思い出ができてしまいました。
今回のケースで、問題自体は解決できても嫌な思い出と共に、業者に対する不信感は残ってしまったはずです。
業者選びには注意
家の事で何かあった時にはその業者に相談しないといけないかもしれません。
なかなか誠実な業者と出会うのは難しいかもしれませんが、長い付き合いになることも視野にいておきましょう。
少しでもおかしいと思ったらきちんと話し合い、場合によっては業者を選びなおすことも検討しましょう。
オプションの種類と追加工事についての注意点
建売販売で特に気を付けたいのが、当たり前についているはずのものがオプションになっているというケースです。
- カーテンレール
- エアコン
- 照明器具
- 網戸
- 雨戸(シャッター)
- テレビアンテナ
これらはついていて当たり前だと思っていたら実はオプションだった、という代表的な例です。
確認を怠って契約が済んでから問い合わせしても、「標準仕様ですので」などと冷たく言い放たれて終わりになってしまうこともあります。
オプションの注意点
契約する前に必要な設備はきちんと整っているか、無いものが出てきた際にどのように対応してくれるかはしっかり確認しておく必要があるでしょう。
家の間取りや設備は気に入ったのだけれど、オプションを追加したいと思うことも出てくるかもしれません。
「洗面台の横にちょっとした棚があればいいな」「雨戸を電動シャッターに変えたい」等など。
オプション追加時の注意点
そうなった時に、現物引き渡しのみで追加工事は請け負わないなどと言い出す業者や、オプション工事を請け負ってくれた場合でも高い見積もりを出す業者もいます。
オプションの追加工事が可能なのか、その相場についても契約前にきちんと確認しておきましょう。
安すぎる物件の思わぬ落とし穴
建売住宅は注文住宅よりも比較的安く建てられますが、安すぎるのも問題があります。
全く同じ見た目の家でも使用している素材のグレードに差があり、目で見ただけでは判断できないこともあります。
安いのにはそれなりの理由が存在します。
購入金額ばかりに気をとられていると後で後悔することになるかもしれません。
後悔ポイントは大きく2つあります。
- 安全面での不安
- 保険料が高い
どういうことか、具体的に考えていきましょう。
【安全面での不安】
例えば)同じ見た目なのに価格が極端に安い場合
建物の材質が脆く耐久性に問題があったり、耐震性・耐火性が低い等が考えられます。
日本は地震大国と言われますし、今後大きな地震が起こると言われる地域も広範囲に及びます。
これから長く住む家の材質や構造に問題があると思うと、非常に不安ですね。
【保険料が高い】
建物の構造や耐震性によって火災保険、地震保険の保険料は大きく変わります。
もちろん、立地や専有面積、保証内容で変わってくることもありますが脆い材質で建てられたものや、耐震等級の低い建物は保険料が高くなってしまいます。
大きく分けると2つに分けられます。 ・鉄筋やコンクリートなどの耐火構造(T構造) |
一般的に、木造・プレハブは万一火災が起こった時に燃えやすいので、火災保険料は高くなります。
「コンクリートは落ち着かないから木造が良い」など木造にこだわりがあるならば、保険料にも納得できると思います。
家の構造の落とし穴
しかし、「コンクリート造りが良かったのに実は木造で、保険料が高かった!」なんてことのないように気を付けましょう。
家の構造と火災保険の関係について詳しくは、こちらの記事をご参照下さい。
知って得する火災保険の基礎知識が満載なので、新築の購入前に一読しておくことをおすすめします!
不安がぬぐえない時の対策
そんな時は住宅診断(ホームインスペクション)を利用してみましょう。
第三者でプロの意見があれば自信をもって契約に臨めるのではないでしょうか。
住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行ないます。
往宅診断をすることで建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。
買うかどうか迷っているのに住宅診断をするなんてちょっとやりにくいと思うかもしれませんが、タイミングとしては契約前がベストです。
重要な欠陥が見つかった場合
契約を取りやめにすることができます。
直してもらう場合にも無償で補修してもらうことを約束したうえで購入に臨めるからです。
契約後だとこちらが不利な立場に立たされてしまうこともありますので全ての確認は最初のうちにしてしまうようにしましょう。
アフターサービスがあるかの確認は必須
しっかり説明を受け、自分自身納得して購入を決めたからと言って、実際住んでみると不具合が出てくることもあります。
経年劣化などもそのうちの一つと言えます。
床がきしみだしたり、壁に亀裂がはしったりした場合、どこに相談するべきなのでしょうか?
販売業者のアフターサービスの有無を確認しておけば何か起こってからでも安心して対処できます。
確認すべきポイントは次の3つです。
- どこに相談すべきか
仲介業者や工務店、施工業者など何社も通してしまった場合、どこに相談すべきなのかしっかり確認しておきましょう。
- 有償か無償か
サービスを受けられる場合、費用がかかるのかも気になるところです。
高額になるようなら他に頼むほうがいい場合も出てきます。
- 保証期間
保証期間は何か月、何年あるのか、また点検はどのくらいの頻度で来てもらえるのかも聞いておきましょう。
ハウスメーカーで建売を購入すると、3か月、1年、2年など定期的に点検があり、保証期間内であれば無償で修理や交換をしてもらえたり、追加工事も有償で請け負ってくれますことが多いようです。
そもそも建売住宅のメリットは何?
建売住宅は、冒頭にもお伝えしたように、すでに出来上がっている物件の事で、土地とセットで販売されています。
新築住宅の種類としては、他に注文住宅がありますね。
注文住宅は自分たちで間取りやデザインを決め、オーダーメイドで建てたものを言います。
ここでは建売住宅のメリットを、注文住宅との違いを交えながら紹介していきましょう!
- 費用を抑えられる
- 引き渡しまでの期間が短い
- 実物を見てから決めることができる
【費用を抑えられる】
建売住宅と注文住宅で全く同じものを建てたと仮定した場合、安くつくのは建売住宅の方です。
それはなぜでしょうか?
【安くなる理由】
建売住宅の土地・建物を準備するにあたっての「規模の大きさ」です。
【土地に関して】
大きな分譲地などは広い土地を安く買って小分けにしています。
一つの家を建てるために一つの土地を購入することに比べると、調達コストは下がりますね。
【建物に関して】
決まったプランの家を何件も同時進行で建築することができるので、資材の運搬や人件費など、建築コストを下げることができます。
また、予算が立てやすいという点も建売住宅のいいところです。
注文住宅の場合はあれこれ検討していくうちに金額が予算から大きく外れてしまうこともあります。
あらかじめ金額の見えた建売住宅は早い段階から安心して返済の計画が立てられるのではないでしょうか。
【引き渡しまでの期間が短い】
- 建売住宅の場合
建物が出来上がるまでの期間を省くことができるので、気に入ってすぐ契約に進めば、約1か月程度で引き渡しをしてもらうことができます。
- 注文住宅の場合
設計、見積もりなどの打ち合わせや施工期間が長期にわたり、実際にかかった期間を調べると半数以上のご家庭が約半年~1年ほどかかったという結果がでています。
増税前に何とかしたい、子供の入学に間に合わせたいなど、時間に余裕があまりない人には建売がおすすめです。
【実物を見てから決めることができる】
もうすでに建っている物件なので、実物を見て隅から隅までチェックすることができます。
間取りやキッチンの高さ、廊下の幅なども目で見て確認できます。
- 不具合が見つかった場合
契約前であれば無償で直してもらうことも可能です。
注文住宅の場合、平面な紙に書かれた間取りをイメージだけで話を進めていくので、出来上がりが想像しにくいところがあります。
しかし建売ならそういったギャップによる失敗は避けられます。
これができれば安心!
最近では建売になる物件の工事現場を見学することも可能なケースもあり、手抜き工事をされていないか、壁で隠れてしまう部分は大丈夫かなどのチェックもできる場合もあります。
販売元に確認をして可能であれば是非足を運んで確認したいですね。
注文住宅の落とし穴も知っておこう
注文住宅では、実物を見ることができないために失敗してしまうこともあります。そんな話を一つご紹介しましょう。
~ご近所Mさんのケース~
私は自分の理想通りの家が建てたくて注文住宅を選びました。
しかし!!
注文住宅は建売住宅と違って目で見て、触れて確認ができないため、イメージしきれずに2つの大きな失敗していました。
【一つ目の失敗:キッチンの高さ】
「キッチンをおしゃれにしたい!」と見た目ばかりを重視してアイランドキッチンを選んだのですが、見た目以外特に何も考えていませんでした。
【実際に入居】
標準サイズのアイランドキッチンは小柄な私には作業台が高すぎるし、幅も広いので料理をするたびにとても疲れます。
【2つ目の失敗:コンセントの位置】
コンセントの差し込み口が部屋の中央に見えているのが嫌で、部屋の端にばかり設置してもらったのですが・・・
【実際に使ってみる】
広いリビングの掃除の際、何度も掃除機のコードを差し替えないといけないことに気づきました。
毎日のことなので、非常に面倒です。
失敗を防ぐ方法
・実際にアイランドキッチンを体感する
・コンセント位置を確認しながら部屋の中を歩き回る
・しっかりと生活することをイメージする
建売ならこれが可能ですよね。
今の火災保険で本当に大丈夫ですか?
まとめ
新築といえば建売住宅ではなく注文住宅!というイメージがあるかもしれません。
建売住宅は自分で決めることができないし、失敗しそう・・・と思う人も多いでしょう。
しかし、建売住宅には注文住宅にないメリットがあります。
購入するときの注意点にしっかりと気をつければ、建売住宅を購入して失敗するリスクは十分に防ぐことができます。
大切なのは売り手のペースに飲まれることなく、自分でしっかりと考えることです。
焦らずじっくりと検討し、ぜひ自分に合ったマイホームを選んでください!
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
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