新築のマイホームを建てるときにしっかりと考えなければいけないのが後で変更しづらい箇所の設計です。
「間取り」「照明位置」はもちろんのこと、「照明のスイッチの位置」もその類に含まれます。
照明のスイッチは見た目こそ取ってつけたような簡単なものに見えますが、
その裏では照明との配線など複雑な仕組みになっています。
建築後に新設する場合には数万円単位のコストがかかってしまうことも。
まあまあのインテリアが買える価格です。
後から「ここにスイッチがないと不便じゃん!」みたいな不満が出てこないようにしたいですね。
本記事ではこの「照明スイッチの位置」の決め方について解説します。
ぜひ最後まで読んで後悔のない設計をしていってください。
目次
新築の照明スイッチの位置を図面で見るときのポイント
照明のスイッチの位置は2つの視点で確認しましょう。
電気関係の図面をもらったときに確認したいポイント
動線は家の中を動くときの順序やルートを指します。
動作姿勢はスイッチを押すときのあなたの姿勢を指します。 |
この「動線」と「動作姿勢」をイメージしながら照明スイッチの位置を決めることで、過不足ないスイッチ設計を行うことができます。
何故危険なのか?
動線と動作姿勢は人のクセや習慣によって変わってくるからです。
業者任せにすると危険な理由
設計士さんの考えるスイッチの位置は電気配線的な「付けやすさ」だからです。
利便性だけでなく工事の効率も考える中で、暗黙のうちに利便性を妥協してしまうことがあるからです。
これは正直仕方がないことです。
だからこそ使う私たちはしっかりと要望を伝え、業者の方と協議しながら設計を進めていきましょう。
住みよいマイホームの設計においては「あなたの当たり前」を家に反映する必要があります。
細かいものほど意識して~確認作業~
業者さんに伝えた変更箇所は、必ずメモしておきましょう。
あれもこれも決めることがありますから、決めたことと伝えたことがあいまいになってしまうことがあります。
特にスイッチの位置という細かい変更は、ほかに大きな変更があった場合など抜けてしまいがちです。
あまりあってほしくないあるあるですが、打合せしたことが図面に反映されていないことがあります。
【理由】
電気関係は打ち合わせ後半にありますので、それ以前の間取りや窓、照明などでぎりぎりまで悩んでいると、電気関係の打合せに時間をかけることなく過ぎてしまいます。
打ち合わせ内容が多岐にわたるため、全体に影響しないスイッチの位置などの細かい部分は、優先順位が低くなってしまいがちなことが考えられます。
【わが家の失敗】
わが家では、スイッチではありませんが、同じタイミングの打合せで話し合うコンセントが一つ抜けたままになってしまいました。
伝えて終わりではなく、変更した個所は図面から抜けがないかどうか確認しましょう。
業者さんに任せっきりにせずにしっかりと確認しましょう。
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照明の種類からスイッチの位置をイメージする
照明スイッチにはいくつかの種類があります。
もちろんデザインも多種多様なのですが、今回は「照明スイッチの位置」についてのお話なので、機能性に着目した際の種類についてご紹介します。
照明スイッチは4種類ある
まずは以下の4つの種類の照明スイッチを確認しておきましょう。
・普通のスイッチ…照明1箇所に対してスイッチが1箇所
・三路スイッチ…照明1箇所に対してスイッチが2箇所
・四路スイッチ…照明1箇所に対してスイッチが3箇所以上
・リモコンスイッチ…照明1箇所に対してリモコンが対応
一般的に使われるものとしてはこの辺りかと思います。
わかりやすいように「普通のスイッチ」としましたが、タンブラスイッチという名前があります。
混乱しそうなので「普通のスイッチ」でいきましょう!
- 三路スイッチ
照明に対して2つのスイッチを設置する場合に用います。
主に廊下や階段で用いられることが多いスイッチです。
例えば)
階段の下からでも上からでも照明を点けることができないと、照明がある意味がありません。
2階建のお家では必ず1箇所は使うことになるスイッチでしょう。
階段の三路スイッチは標準装備になっているケースが多いですが、オプションとして追加で三路スイッチを設置するケースは廊下によく見られます。
- 四路スイッチ
スイッチを3箇所以上に設置する場合に使います。
4箇所でも5箇所でも四路スイッチです。
詳しい仕組みは割愛しますが、電気回路的にこの四路スイッチを直列で繋ぐことでスイッチ箇所を増やすことができるわけです。
四路スイッチを使うケースは限られますが、3箇所以上の位置/お部屋からの動線がある箇所に設置することが稀にあります。
- リモコンスイッチ
こちらはイメージしやすいでしょう。
自由に持ち運べる可動式スイッチです。
便利な場面としては、座るか横になる動作が伴うお部屋の照明でしょう。リビングや寝室の照明が該当しますね。
他にもスイッチが必要ないセンサー付き照明も用いられるようになってきました。
これら数々のスイッチを使って「暗くなる瞬間を作らない」スイッチの配置を考えていきましょう。
実際に家の中を歩いているイメージをする
それでは実際、家の中を歩いているイメージで考えていってみましょう。
【リビングを出て廊下を通り寝室に向かう場合】
三路スイッチが使われます。
廊下の電気をつける、消すの動作をイメージしていただくと
1.リビングを出る際にスイッチON→照明点灯
2.寝室に入る際にスイッチON→廊下照明消灯となります。
この場合はリビング・寝室の照明スイッチと一緒に廊下の照明スイッチが設置されているか確認するようにしましょう。
【リビング・寝室だけでなく、ほかの部屋も廊下とつながっている場合】
四路スイッチを設置することも考えましょう。
1.リビングを出る際にスイッチON→照明点灯
2.寝室に入る際にスイッチON→廊下照明消灯
3.子供が子供部屋から出る際スイッチON→廊下点灯
4.寝室に入る際にスイッチON→廊下消灯
というようなイメージになります。
四路スイッチは照明に対してスイッチが3箇所以上になるときに使われる照明です。
配線が複雑になるためコストはかかりますが、暗闇の中移動するのは不便なので検討してみてください。
三路スイッチの設置には普通のスイッチと比べてコストがかかります。そこで、こんな使い方をしてみるのもおすすめです。
間取り的にも「もう1つスイッチをつけるほどの距離でもないし…」というときコンセント接続タイプのセンサー照明が便利です。
【メリット】
・人が近づいたときに自動で点灯する照明なのでスイッチを押す手間も省ける
・使い方によっては三路スイッチよりも便利でコスト削減になる
我が家でも1箇所この照明を使っています。
センサー付きのフットライトなどを設計時に組み込んでおくことで、余計な照明・スイッチを省くこともできます。
【小さなお子さんがいらっしゃるご家庭で活躍】
抱っこしたまま廊下を移動するケースも考えられるので、両手がふさがった動作姿勢を考えると、この通路におけるセンサー付き照明はおすすめです。
扉には照明のスイッチが隠れる落とし穴がある
照明の点灯・消灯のタイミングには扉の開閉がつきものです。
お部屋の移動時に照明をつけるので、扉の開閉動作と連続してスイッチのON/OFF動作が行われることが多いためです。
ここで重要になるのが扉の開閉方向です。
扉が開いているときに押せなくなるようなスイッチの位置は不便です。
こんな当たり前そうに思われることですが、実際にそうなってしまう例は結構あるようです。
「寝室のスイッチなんて扉横に1箇所あれば良いよね」ということで業者にお任せしたスイッチ位置。
フタを開けるとなんと「扉を開けたらその裏になってしまう壁にスイッチが」なんてことは割とよくある話です。
よくある原因が「そこにしかつけられる場所がなかったから」というものです。
素人目にはなんだか壁に簡単についているように見えるスイッチですが、その裏は複雑な電気配線が繋がっています。
つまり、ある程度壁に厚みがないと設置できないということです。
スイッチをつけられるかどうかは業者にしかわからないのでしっかりと確認しておき、後悔のないようにしていきたいですね。
「もう間取りも決まってしまっているしどうしようもない」というときは、いっそのこと扉を出た部屋の外の壁につけてしまいましょう。
暗くなる瞬間を作らないための注意点
【扉を開ける→扉を閉める→点灯】よりも【点灯→扉を開ける→扉を閉める】の方がおすすめです。
入退室時に必ず扉の開閉とセットで行われることが多いのでこの形の方が便利ですね。
「設置できる壁がありません」という場合においては動線を意識して、代わりとなる配置を考えましょう。
また、部屋で過ごしているときに消灯したり点灯したり、あるいは照度を調整するケースもあるかと思います。
もちろん部屋の中にもう1箇所スイッチを用意する方法もありますが、
動作姿勢を考えるとここはリモコンスイッチが便利でしょう。
座ったまま操作することができるのでリビングや寝室においてはおすすめです。
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家具家電の設置場所でスイッチの位置が決まる
家具や家電を多く設置するリビングやダイニング、キッチンなどにおける照明スイッチは、インテリアや家電にで被らない配置にすることが重要です。
「まだどんな家具を置くかなんて決まっていない」という方がほとんどだと思いますが、どんなスイッチも押せなければ全く意味がないので慎重に考えましょう。
特にこのリスクが高いのがキッチンです。
キッチンのスイッチの注意点
キッチンは料理をする作業スペースということもあり、便利な位置に家電を置きたくなります。照明スイッチも同様で、便利な位置に配置したくなります。
このためキッチンにおける照明スイッチは、家電設置後のスペースをイメージしながら設計する必要があります。
キッチンのスイッチの対処法
おすすめなのはキッチン外にスイッチを置いてしまうというものです。
極端かもしれませんが、キッチンの中に照明スイッチがあることによるメリットは実はあまりないのではないかと思っています。
メリットがないと思う理由 ・キッチン内の照明はキッチンに入る前に点けておけば済む ・冷蔵庫の扉開閉、壁に追加する収納などを考慮し始めると可能性は無限大で、確実にスイッチ用に空けておける壁を探すのは結構大変 |
私のおすすめはダイニングからキッチンに入る境の壁に照明スイッチはまとめて設置してしまう形です。
これであればキッチンーダイニング間の通路になるため、家具・家電が被るという心配もないですよね。
新設/増設にかかるコストイメージを確認
スイッチの新設にかかる費用としては6,000〜30,000円程度であるとされています。
また電気配線の距離が離れるほど工事費が増加します。
1m毎に料金設定されているケースがほとんどなので確認しておきましょう。
三路、四路スイッチを多用するケースの注意点
この配線距離がトータルで長くなるため、コストには注意が必要になります。
- 増設する場合の費用
3,000〜5,000円程度とされていますが、
これは設置場所に運良く電気配線が通っていた場合のコストです。
電気配線がなかったり大幅な延長が必要になるときは新設よりもコストが高くなるケースがあるので注意が必要です。
やはり新築設計時にあらかじめ後悔のないようにスイッチ位置を吟味しておくのが無難ですね。
三路スイッチ等を活用することで、どんな間取りでも便利なスイッチ配置を実現することはできます。
しかし、意外と大きなコストがかかってしまうことを念頭に置いておくことで、無駄を省いていくことができると思います。
センサー付き照明のスイッチは部屋の内側に!
センサー付き照明は人が近づくと自動で照明が点灯する便利なもので、最近よく見かけます。
【設置する場所】
玄関やトイレなど、一時的に利用する場所が一般的
自動で消灯するのであまり長い時間を過ごす場所には適しません。
この照明にもセンサー機能をON/OFするためのスイッチが設置されますが、このスイッチは部屋の中、扉の内側に設置することを強くおすすめします。
トイレならトイレの中に設置する、ということです。
我が家のトイレもセンサー付き照明です。
ただスイッチはトイレの外にあります。
何が起きるか?
「間違ってスイッチを押してセンサーを切る」という何とも間抜けな現象です。
扉+スイッチとあると、一連の動作でスイッチを押してしまいます。
「そんなことある?」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、ここは強く言っておきます。
いや、そんなことあります!(笑)
なので是非センサー照明のスイッチは部屋の中に設置してください。
玄関にセンサー付きスイッチを設置する場合も、他のスイッチとは離れた別の場所に設置した方が良いです。
普段はON/OFFする必要がないので間違って押さないような工夫をしておいた方がいいですね。
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おわりに
照明スイッチは間取りと同じく今後の生活の快適さを左右する重要なポイントです。
新築設計も終盤でお疲れの方もいらっしゃるかもしれませんが、
業者任せにせずしっかりと作り込んでくださいね。
今回ご紹介したように、スイッチ位置はただ押しやすいというだけでなく、間違えて押してしまわないかどうかも考えることで、本当に便利な設置位置を決めることができます。
生活における「動線」「動作姿勢」を意識し、「暗くなる瞬間を作らない」ことをキーワードにしながら、あなたの「当たり前」を実現できるようにしていきましょう。
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