「最近なぜか咳が止まらない。のども痛いし体調がおかしい」
新築の家に引っ越してから、このような症状に悩まされている人いませんか?
もしかするとそれは「シックハウス症候群」のせいかもしれません。
なかなか治らない咳。募る苛立ち。
どのくらいの期間、この咳は続くんだろう?
とても暗い気持ちになりますよね。
マイホームで快適に過ごすには、まずは「ご自分がシックハウス症候群にあてはまりそうか」を確認することから始まります。
自分もシックハウスなのでは?と心配されている方に役立つ情報から、シックハウス症候群を改善する方法についてお伝えしていきます。
目次
新築でまさか!シックハウス症候群とは?
「シックハウス症候群とは?」
耳にしたことはある方も多いとは思いますが、以下のうな症状のことを言います。
【シックハウス症候群】 家を建てる際の建材や家具などから発生する揮発性の化学物質、カビやダニなどによる室内空気汚染によって引き起こされる症状のことを言います。 また、居住空間で発生するいろいろな健康障害を総称してシックハウス症候群とも言われています。 |
症状が出ていても、その原因がはっきりと分からなかったり、複数の原因が複雑に絡んでいることが考えられますから、やっかいでもあります。
現代人は、1 日のうちの 70%以上の時間を室内で過ごすと言われています。
一日の大半を過ごす室内の空気の質が、私たちの健康や生活の質に大きな影響をあたえているのです。
新築に入居して1か月になるA子さん 。
小学校1年生の息子さんと、生まれたばかりの女児がいます。
A子さん「引っ越してから、室内に居るとのどが痛くなっちゃって。子供もいるし、心配になって乳児は実家に預けることにしたのよ」
病院で医者に診てもらったところ「風邪の症状に似ているので、しばらく経過をみましょう」とあいまいな診断をされたそうです。
A子さんの訴え
窓を開けたら少しは軽くなった気もするけど、夜、窓を閉めると咳がひどくなるんだよね。新調した家具や、内装材が原因っていわれているけど。よくわからない…。
改善したいけど、どこに行ったらいいの?いつまで症状が続くの?とても心配されていました。
赤ちゃんやペットは敏感
特に赤ちゃんは化学物質に敏感で、化学物質を大人の2倍吸収すると言われています。
また、体の小さいペットも敏感に反応してしまいます。
赤ちゃんや主婦は在宅する時間が長いため、シックハウス症候群になりやすい傾向にあると言われています。
シックハウス症候群は他にもいろいろな症状が出てくると言われています。
シックハウス症候群の症状
シックハウス症候群は症状も様々です。
まずはご心配の症状の改善が急務ですから、現れやすい症状と受診科をまとめました。
症状 | 受診科 |
湿疹や肌のかゆみがある | 皮膚科 |
集中力が低下している・疲れやすい・気分が落ち込む | 精神科 |
気管がぜいぜいとなる | 呼吸器科 |
めまい・耳鳴り・のどの痛み・鼻水がでる | 耳鼻咽喉科 |
目がちかちかする・目がかゆい・目が乾く | 眼科 |
咳がでる・動悸がする | 内科 |
複数の部位に症状が現れている場合は、アレルギー科に行くとよいでしょう。
上の症状はシックハウス症候群でなくても現れることがありますから、シックハウス症候群かどうか見分けるのが難しいですよね。
ご自分で「シックハウス症候群かも」と疑いがなければ、病院に行っても医師からシックハウス症候群の可能性を指摘されることは少ないと思います。
・自宅から離れると症状が軽くなり、同じ場所にまた戻ると同じような症状が出る
・家族にも同じような症状がでている
・症状が出始めた時期が新築入居時や引っ越し時に重なる
これらに当てはまる場合はシックハウス症候群の可能性が高いと言えます。
シックハウス症候群がなぜ起こるのか、原因を考えていきましょう。
新築の家がシックハウス症候群を引き起こす原因物質は?
私の子供の頃はあまり聞かれなかったシックハウス症候群ですが、1990年〜2020年の30年間で国民生活センターへの相談が数倍に急増しているそうです。
その原因は、住宅のつくりに影響しています。
日本の住宅は、以前は風通しの良いつくりの住宅でした。
最近は省エネルギー化に向けて高気密、高断熱化が進んだことで、人工建材や日用品から揮発する化学物質が室内に充満する原因となってしまいました。
- 高断熱化のために使われる新建材や接着剤から放出される揮発性有機化合物が室内空間を汚染
- 気密性を高めすぎて、換気が不十分
- 湿度が高くなり、カビ・ダニ・細菌が繁殖しやすい
このような環境が、シックハウス症候群を引き起こしています。
シックハウス症候群といえば、ホルムアルデヒドが有名です。
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドは無色で刺激臭があり、常温では気体となるため、目に見えません。
水によく溶るため、標本のホルマリンにつかわれたり、殺菌、防腐剤として合板や家具、接着剤につかわれていることがとても多い化学物質でした。
2003年(平成15年)7月の改正建築基準法の施行で、その使用が制限されたためホルムアルデヒドの汚染は減ってきています。
また、シックハウスの原因は、ホルムアルデヒドだけでなく、いろんな物質が関係することで発生してしまうということもあります。
法律で規制しきれていない!?化学物質の抜け穴
国土交通省の「建築基準法に基づくシックハウス対策について」のページを部分的に抜き出しました。
改正建築基準法に基づくシックハウス対策の概要
2.概要 (1)規制対象とする化学物質 クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。
(2)クロルピリホスに関する規制 居室を有する建築物には、クロルピリホスを添加した建材の使用
を禁止する。(3)ホルムアルデヒドに関する規制
① 内装の仕上げの制限 居室の種類及び換気回数に応じて、内装仕上げに使用する ホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限を行う。
② 換気設備の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、 家具からの発散があるため、原則として全ての建築物に機械 換気設備の設置を義務付ける。
③ 天井裏等の制限
天井裏等は、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建 材とするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする参照:国土交通省
法律の注意点
【建築基準法・厚生労働省指針値の問題点を理解しておこう】
住宅建築には数100種類もの有害化学物質が使われています。
そのため、建築基準法や厚生労働省の指針値のみでは、規制できない化学物質が残ってしまいます。
ホルムアルデヒドとクロルピリホス以外の接着剤や建築材は利用が制限されていません。
これではそれ以外の化学物質が防げないので、敏感な人はシックハウス症候群になってしまいます。
あくまでも14個の化学物質の室内濃度を検査するための基準でしかありません。
建築材そのものを禁止しているわけではなく、また新築完成時に建設会社が室内濃度の検査をすべての建物で行っているかどうかはわかりません。
世界的な大気汚染でもともとアレルギー体質の方が増えていますから、基準を設けていない化学物質で反応してしまうことも考えられます。
子供達の未来のためにも、より安全な建築資材の導入と適切な有害物質の規制が行われることを願っています。
化学物質だけじゃない!?シックハウスの原因
シックハウス症候群の予防対策の基本は原因物質の除去ですが、それらは独立の要因というよりいくつかの原因物質が関連しあっておこることが報告されています。(シックハウス症候群と住まい方の調査結果より)
化学物質だけでなく、以下の5つの原因が関連しあっておこるのです。
要因分類 | 要因物質 |
化学的要因 | 揮発性有機化合物(ホルムアルデヒド・VOC) |
生物学的要因 | カビ菌・ダニ・細菌 |
浮遊粒子的要因 | たばこの煙・ほこり・黄砂・調理による煙 |
物理学的要因 | 温度・湿度・気流・輻射 |
化学的物質=ホルムアルデヒドというわけでなく、建材や家具にはにはいろいろな化学物質が使われていますので、それぞれが関連しあっておこることも考えられます。
それに加えて、常に一定の過ごしやすい温度と高い湿度によってダニやカビなどが発生してしまうと、その要因も合わさって症状が出てしまうのです。
「空気汚染」と聞くと、工場の煙突などをイメージしますよね。
実は私たち自身も空気を汚染しているのはご存知でしたか?
キッチンからは臭いや湿気(物理学的要因、浮遊粒子的要因)、加熱機器がガスの場合は二酸化炭素や二酸化窒素、ホルムアルデヒド等(化学的要因)発生します。
更に、私たち自身からも、呼吸や汗によって、二酸化炭素や湿気(物理学的要因)が放出され、室内の空気を汚染しています。
人混みの中で気分を悪くした経験を思い出していただけるといいかなと思います。
シックハウス症候群を引き起こす室内環境は、人ごみの中に工場の煙突から出る煙が加わる…というイメージでしょうか。
不動産やハウスメーカーに勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
シックハウス症候群は新築の家でどのくらいの期間続くの?
シックハウス症状がおさまるのは、新築で家を買われてから2年から10年以上と言われています。はっきりとした区切りがないのが現状です。
シックハウス症状がおきる原因
免疫アレルギー反応等によるものと考えられていますが、発症のメカニズムはいまだ解明されていません。
症状は個人差が大きい
人に与える影響は個人差が大きく、同じ室内に居ても症状のでない人もいれば、敏感に反応してひどくなってしまう人もいます。
人によって受け入れられる許容量が異なるので、蓄積量が許容量を超えた時にアレルギー症状が発症するのです。
許容量はひとそれぞれですから、僅かな濃度であっても反応する体質の方がいるので注意が必要です。
見逃さないように注意!
シックハウス症候群は、はじめは風邪の症状と似ているために気づかずにそのまま放置してしまう人が多いです。
症状が慢性化すると、重度の化学物質過敏症になる危険性があります。
多くの人がなにも感じないような微量な化学物質(シャンプーや芳香剤など)でも、いろいろな症状がでてくるので注意が必要になります。
化学物質は日常生活にあふれていますから、生活すべてを変えなくてはならない状態になってしまいます。
治癒までに10年以上、もしかすると一生付き合っていかなくてはいけない病気になってしまう可能性があるのです。
時間の経過と化学物質の放散量の関係
新築購入時は建築材料が原因で、室内の化学物質濃度が高くなりやすいです。
化学的要因のシックハウス症候群の場合、建築材料や家電から揮発する化学物質の放散がなくなれば、年数が経過するたびに治まっていきます。
下のグラフは、愛知衛生研究所が改正建築基準法が施工される前(平成10年)にホルムアルデヒドの放散量が時間の経過とともにどのくらい変化するか調べた調査結果です。
引用:愛知衛生研究所
築後5か月で基準値以下になりましたが、夏季になると室温の上昇に伴ってホルムアルデヒド放散量が増加しました。
2年を過ぎても放散量は0にならず、変動を繰り返していましたので、何もしないで生活していて放散量が0になるにはかなり時間がかかることが予想されます。
シックハウス症候群を改善する方法
病院では基本的に対処療法になってしまいます。
シックハウス症候群の主な原因は化学物質ですから、化学物質の除去をしていきましょう。
私たちが自主的にできる改善策は3つあります。
- 化学物質の室内濃度検査をして、原因となっている物を取り除く
- 室内の換気を十分にする
- 引っ越す・一時的に家を離れる(最終手段)
シックハウス問題に関しては、厚生労働省、国土交通省で化学物質に基準を設けています。
引っ越すという最終手段に行く前に、試してみたい二つの方法をご紹介します。
まずはここから!化学物質の室内濃度検査
①どんな化学物質の濃度が高くなっているかを確認
②その原因物質を取り除くことが解決の近道
①検査する
各自治体の保健所や保健センター
各自治体の保健所や保健センターで対応していますから、問い合わせてみてください。
詳しく調べるなら、料金は高くなってしまいますが民間業者がお薦めです。
料金の目安は4万円~6万円くらいのところが多いですね。
「シックハウス VOC検査」で検索すると様々なところで扱っていますので、検査項目や料金などからご自身に合ったところを選ばれることをおススメします。
自分でもできる?!
基本的には専門機関に依頼することをおススメしますが、「自分でもいろんな場所を調べてみたい!」という好奇心旺盛な方には、自分で検査できる商品も販売されています。
試験紙で調べる方法もあります。空気中だけでなく、気になる家具や建材のホルムアルデヒドの量も調べることができて便利ですね。
試験紙を5時間から10時間程度室内に置くだけで判定できます。
測定時の注意
厚生労働省の室内濃度指針値は、室内の測定を開始してから30分間の平均値なので、部屋をしめきっていれば濃度はさらに上昇することがあります。
空気は目に見えないですから、検査で確認することではじめてわかることは多いと思います。
- 家具を新調したらインコの具合が悪くなってしまった。検査で高い数値が出たので交換した
- 夏場になると刺激臭がしてきて気になって検査したら、壁紙付近で高い数値が出た
- 一年前に購入した食器棚がずっと臭いが消えなかったので検査したら、数値が出たので、返品&返金してもらえた
これらは検査することではじめてわかることですよね。
家具等でしたら業者さんに連絡することで返金してもらえる可能性もあります。
②基準を超えていたら
基準値を超えている物質があった場合、家を建築した業者や家具の購入元に相談しましょう。
建築材や接着剤は無数に使われているので一つ一つ確認していく必要があります。
シックハウス症候群を治すためには、原因となっている物質を取り除くことがとても重要です!
あなたにできる対策~室内換気~
日常的に心掛けたい換気と強制換気の二種類の方法があります。
- 24時間室内換気を行う
- ベークアウト方法という換気を行い強制的に化学物質を排出する
24時間換気システムだけでは、最低換気量しか計算されていないので不十分です。
とにかくマメに換気をすることで、有害物質が外に出ていきます。
- 24時間換気システム+手動で窓を開けて24時間換気を行うこと。
- 1か所では空気が入りずらいので2か所以上の窓を開けて空気の通り道を作りましょう。
- 1階、2階ともに換気しましょう。
日常でこまめな換気を心掛けることで、有害物質と生活の空気汚染が合わさって汚染度が上がってしまうことが防げます。
ただこの方法の問題点
化学物質を外に出すために時間がかかってしまうことです。
その場合、次の方法を試してみましょう。
②「ベークアウト」を行う
「ベークアウトとは?」
暖房設備を使って、強制的に化学物質を排出する方法です。
ベークアウトを行うこの効果
シックハウスの元になる化学物質の量を短期間で減らしていく事ができます。
特にトルエンには非常に有効です。
揮発率が高いため、塗料に含まれている場合は、ベークアウトで一気に揮発させて化学物質を排出させることができます。
- 部屋の窓をすべて締める
- 化学物質は家具にも含まれているので、家具の引き出しや扉を開けておく。
- 空調機器を使用して、室内の温度を35℃に、湿度は60%前後にあげる。
- 半日~数日そのままにしておく
- 揮発した化学物質を外に排出するため、30分~1時間くらい換気をする。。
①~⑤を3~6回程度繰り返します。
ベークアウト方法のデメリット
・ベークアウトでも対応できない建材もある(接着剤のホルムアルデヒドが原因の場合、接着剤として存在する限り減らない。 )
・室温を高くし過ぎると、家具や部屋の素材が剥離したり、建材がが痛む可能性がある
・ベークアウトによって放散した化学物質が他の建材に吸着してしまう場合がある
このように問題点もあるので、検査の段階で発生要因をはっきりさせておく必要があります。
ただ、簡単な方法で症状がかなり良くなる可能性がありますので、引っ越しや建て替えになってしまう前に、一度は試してみてください。
今の火災保険で本当に大丈夫ですか?
さいごに
新築建築後にシックハウス症候群になってしまった人は本当に大変だと思います。
厳しい状況がいつまで続くのか悩まれていることと思います。
建材だけでなく家具もすべて化学物質を使わない自然素材を使ったものに建て替えて、通気性のいい家にするのが一番の理想ですが、費用等の面でなかなか難しいですよね。
まずは原因の特定をしてから、こまめな換気を心掛けるようにしましょう。
化学物質は目に見えない物なので、気づくのが遅くなってしまいます。
早く気づいて、早く対処をすることが、症状が出る期間を短くすることにつながります。
こちらの記事を読んで、シックハウス症候群の症状を少しでも早く改善できるきっかけになって頂けたら幸いです。
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