住宅の購入は、人生最大の買い物と言われています。
住宅ローンや税金のことを考えて、一生賃貸に住み続ける人も増えてきましたが、「いつか一戸建てを買って広い庭で犬と遊びたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、一戸建てを買うとなると、土地探しから始まり、間取りから外装に至るまで一から家づくりをするのは時間がかかって大変そうだと、一歩踏み出すことが出来ない人もいるかもしれません。
そんな人におすすめなのが、建売住宅です。
最近は近所を散歩していると、おしゃれな建売住宅が建ち並ぶ場所が増えているように思います。流行りの外観で、お庭や駐車スペースなども完備されています。
あとは、どこを寝室にするか、どこに家具を配置するかを考えるだけで、明日からでも夢の一戸建てでの新生活がスタートできそうな雰囲気が魅力的ですね。
一から決める必要はない建売住宅ですが、もちろん注意点もあります。すでに建てられている住宅なので、住んでみてやっぱり内装を変更したいと思ってからでは余計なコストがかかってしまいます。
本記事では、そんな人生最大の買い物を失敗しないよう、建売住宅を購入する際のチェックポイントや賢い選び方を紹介します。
目次
建売住宅を購入する前に!【押さえておきたいチェックポイント】
一戸建てを購入する際、建売住宅にするか注文住宅にするか迷う人もいるでしょう。まずはこの二つを比較して、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
建売住宅のメリット・デメリット
建売住宅とは、土地と建物がセットで販売されている住宅のことです。
分譲住宅という名前を聞いたことがある人も中にはいるでしょう。
分譲住宅とは分譲地に建てられた家のことで、土地に番号をつけて販売しています。
一方で、建売住宅の場合は土地に住宅を建ててから販売することが多いのですが、分譲地に建てられている場合もあるので両者はほぼ同義です。
宅地の中でもいくつかの区画に分けて販売されている土地のこと
【建売住宅のメリット】
◆早期に入居することが出来る
- 完成済みなら即入居することが出来る。
- 契約から引っ越しまで一か月程度で入居できる。
- 建築途中でも、建築計画が立てられている住宅を購入することが出来るので早めに引っ越しすることも出来る。
- 注文住宅と比べて半分以下の期間で手に入れられる。
◆費用が安い
- 統一されたデザインの住宅を同時に建てることが多く、大量の資材をまとめて購入することが出来るため費用が抑えられる。
- 作業を効率的に進めることが出来るためコストダウンしやすい。
- その為、同じ条件の注文住宅を建てる場合よりも割安で購入出来る可能性がある。
- また、当初の予定よりも大幅に費用がかかってしまうことも少ないので予算やローン計画も組みやすい。
◆購入前に住宅を見て確認できる
- 既に間取りや設備の配置が決められているので、細部まで考えられない、家のことはよくわからない人にも安心。
- 日当たりはどうか、収納スペースはどうか、といった気になるところがあれば質問することも出来る。
- すぐに入居することが出来るため、生活や将来のイメージもしやすい。
【建売住宅のデメリット】
◆融通が利かず、細部を決めることが出来ない
- 「間取りや設備の配置が決められている」のはメリットですが、それ故に融通が利かず、レイアウトを変更することが出来ない。
- 近隣の住宅と隣接して建てられていることもある為少し窮屈に感じることもある。
- 建売住宅のオプション追加料金が高い。
オプション工事は、業者をメーカーが紹介してくれますが、安心して任せるようなことはしないでください。
ハウスメーカーや不動産屋から紹介されるところは値段が高いです。本来はどこの業者に頼んでもいいので、必ず1社だけではなく2社から相見積もりを取るようにしましょう。
業者選びを間違えると後悔するかもしれません。しっかりと調べて納得のいく業者に頼むようにしましょう。
注文住宅のメリット・デメリット
注文住宅とはその名の通り、注文があってから作り始める住宅のことです。
土地を持っていればその土地にどんな家を建てるか、持っていなければ土地を探してから決めることになります。
【注文住宅のメリット】
◆全て自分で決めることが出来る
- 自分たち家族の生活スタイルに合った間取りや外観、構造の設計が自由に行うことが出来る。
- 壁紙やフローリング、ドアのデザインだって思いのままです。
- 例えば、シンデレラ城みたいな家を建てたいとなれば、建てることも出来る。
注意点について
※ただし、地方によっては景観条例が施行されていることもある為、確認する必要があります。
◆建築中の家をチェックできる
- 工事の様子を確認出来るので安心感を得ることが出来る。
- 現場管理者に施工の進み具合を聞くなどコミュニケーションを取ることが出来る。
- 細部まで自分の目で確認できるため理想の家に近づけることが出来る。
【注文住宅のデメリット】
◆入居までに時間がかかる
- 土地の取得やローンの審査、施工会社の選定、見積もりなど実際のプランが固まるまで時間がかかります。
- プランが固まったとしてもデザイン、間取りなど決めることがたくさんある。
- 建築が始まっても天候や特注した設備の納品が遅れるなど、思わぬトラブルが起きることもある。
- 家づくりをスタートして入居できるまでには一年前後と考えましょう。
◆費用がかかる
- 理想の家を求めて、標準的な規格の住宅からプランをいろいろ詰め込んでいくと、建築費はもちろん高くなる。
- 魅力的な設計を紹介されて予算が大幅にオーバーしてしまうこともある。
- ただし、あまりこだわりのない部分についてはダウングレードすることも出来ます。
それぞれのメリットとデメリットについて表にまとめました。
メリット | デメリット | |
建売住宅 |
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注文住宅 |
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時間や費用をおさえて、できるだけスマートにマイホームでの新生活をスタートさせたい人には建売住宅がおすすめです。反対に、時間をかけても家づくりにこだわりたい人には注文住宅がおすすめです。
内部構造や家の性能をチェックする【3つの方法】
建売住宅は、コストをおさえるため、同じようなデザインの住宅を同時に建てることが多いです。
見た目はよく似ていますが、実際には見えない部分の構造や性能は違うことがあります。
施工会社の人件費が削られている場合があり、スピード重視でたくさん作っているので品質にはばらつきがあることも。高品質な住宅を見極めたいですね。
1 建物仕様書を確認してみよう
建物仕様書とは、住宅を販売しているハウスメーカーが発行しているもので、その物件がどのような材料で建てられたかという詳細が書かれたものです。
この建物仕様書で確認したいのは、良い断熱材を使用しているかどうかです。
断熱材には安価なものと高価なものがあります。
予算が少ない建売住宅の場合は、前者が使用される場合が多くなっています。
高価なものを使用していると「夏は涼しく、冬は暖かく」過ごすことが出来ます。反対に、安価なものを使用していると「夏は暑く、冬は寒く」過ごす羽目になってしまいます。
2 住宅性能評価書で家の性能をチェック
住宅性能評価書とは、簡単に言えば家の成績表です。
国が認めた外部評価員が評価を行い、その費用はメーカーが負います。
評価項目には次の10項目があります。
①構造の安定(必須項目):地震・災害時の倒壊しにくさ、損傷の受けにくさについての評価
②火災時の安全:住宅の燃え広がりにくさや避難のしやすさなどを評価
③劣化の軽減(必須項目):柱や土台などの耐久性を評価
④維持管理への配慮(必須項目):配管などの点検・清掃・補修のしやすさ、更新対策などの評価
⑤温熱環境・エネルギー消費量(必須項目):省エネルギー対策として、壁や窓の断熱・結露防止などの評価
⑥空気環境:シックハウス対策と換気についての評価
⑦光・視環境:東西南北および上方の5方向について採光性能を評価
⑧音環境:おもに共同住宅を対象に遮音性能を評価
⑨高齢者等への配慮:バリアフリー度や段差など、移動の安全性を評価
⑩防犯:開口部からの侵入防止策など防犯対策についての評価
ここで気になるのはやはり必須項目でもある、耐震性能ではないでしょうか。日本は地震大国ですからね。
1981年6月に制定された「新耐震基準」、2000年にも建築基準法が大きく改正されています。
したがって耐震性能は建築年月によってある程度判断することが出来ますが、地盤の固さ、土地の形状も加味する必要があります。
ちなみに、等級1の目安は「極めて稀に(数百年に一度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第3項に定めるもの)の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度」です。
3 内覧会に行ってみよう!
まだ建築中の一戸建ての購入を検討しているようであれば、ぜひ見学に行ってみましよう。
基礎や床下、天井裏など、完成してからでは見ることのできない部分を確認することは重要です。
また、現場にゴミが乱雑に放置されていたり、汚れた資材が放置されていないか、床下にタバコが捨てられていないか工事現場の様子もチェックしておきましょう。
良い現場は管理が行き届いており、整理整頓、掃除が徹底されています。
建売住宅の賢い選び方のコツとは?
建売住宅について、注文住宅との違いや、チェックポイントがわかってきたところで、ここからは高品質な建売住宅の賢い選び方を紹介します。
折り込みのチラシから物件探しをする際に注意すべき事とは
現代はインターネットで家探しをする方も多いと思いますが、まだまだ折込チラシが多いです。
建売住宅のチラシには「問い合わせ先」が書かれていると思います。
問い合わせ先は売り主の不動産会社などの仲介業者や施工した住宅会社になっているのが一般的です。
売り主が不動産会社などの仲介業者だった場合、物件の価格に対して『3%+6万円』の仲介手数料が取られてしまいます。
例えば) 3,000万円の建売住宅を購入した場合、 3,000万円×3%+6万円=96万円 この96万円が仲介手数料として支払わなければならないのです。 |
この金額は大きいですよね。このことを頭に入れておきましょう。
不動産会社によっては仲介手数料を値引きしてもらえることもあるし、稀ではありますが、ゼロ円にしてくれる場合もあります。
決して安い買い物ではありませんので、後悔しないように値引き交渉をしてみることをおすすめします。
これに対して家を建てたハウスメーカーから直接買った場合は仲介手数料は取られることがないのです。
なので、売り主から直接購入することで、費用をおさえることができます。
しかも、施工した住宅会社が問い合わせ先になっていると、聞きたいことにたいして正確に答えてもらうことができ、アフターサービスも誠意をもって対応してくれるはずです。
【アフター・ライフサポートサービスが充実しているか】
建売住宅は住み心地や使い勝手よりも売れることを最優先に宣伝することが多いです。
チラシを見て価格や外観だけで決めてしまい、「思ったより不便だった。」、「収納が少ない。」、「せまい」といった不満が残る場合もあるようです。
外観や価格だけでなく、アフター・ライフサポートサービスが充実しているのかチェックしましょう。
- 会社により様々ですが、建築後の住宅の定期点検やメンテナンスが主な内容です。
- また、増築や改築の相談を受け付けているところもあります。
- 特典として旅行やレジャーを優待価格で受けられるといった会社もあります。
先ほど理想であるとお話しした、「売り主」=「施工会社」=「販売会社」は、設計から施工までを自分たちの会社で行っています。
そのため、住宅に対して強い責任感をもっていて、販売後もアフターサービスをきちんとしてくれるというメリットがあります。
建売住宅の見学に行こう!
ポイントも分かったし、資料も取り寄せた。そうなったら、ぜひ見学に行きましょう。
見学もせずに資料だけみて購入することでトラブルも起きるのです。実際に見てみることで回避することができます。
多くの場合、見学だけなら予約は不要です。しかし、中に入って詳しく説明を受けるとなると予約が必要になります。見学前に確認しておきましょう。
また、見学に行く際には、なるべくしっかり時間がとれる日程で準備しましょう。
「ついでに用事を済ませたいから午前中で片付けよう。」「仕事が半日休みだからお昼からゆっくり行けばいい。」なんて思っていませんか?
見学で見るべきポイントはたくさんありますし、できれば家だけでなく、周囲の環境もチェックしておきましょう。
通学や通勤に電車やバスを利用する場合は、駅が近くにあるのか。
食品や日用品の買い物をするスーパーやドラッグストアなどがあるか。
小さなお子さんがいる場合は、徒歩圏内に公園などの遊び場があるかも見ておきたいですね。
【建物の目視点検と確認】
見学が決まったら、いくつか見ておいてほしいポイントがあります。
デザインや間取りもそうですが水回り、階段、窓の位置、駐車場、庭、コンセント、収納なども見ておく必要があります。そして、最後に忘れてはいけないのがセキュリティ面です。
室内 |
・すべてのドアや窓の開け閉めができるか ・床やフローリングに傷や汚れがないか ・歩いた時の床の音鳴りは気にならないか(とくに二階建て物件の場合) |
水回り |
・ちゃんと水が流れるか、水漏れがないか ・キッチン、洗面所、トイレの収納スペースは十分か |
電気関係 |
・明かりがつくか動作確認(ブレーカーが上がっているのに動作しない場合は配線に問題あり) ・コンセントや照明の位置 ・各部屋のエアコンのサイズ(例えば6畳なら2.2KW、10畳なら2.5KW) |
外回り |
・外壁にヒビが入っていないか ・床下にゴミが捨てられていないか、シロアリなどの虫がいないか ・駐車場は車が出し入れしやすいかどうか ・セキュリティ面は大丈夫か(鍵やインターホンなど) |
細かいと思うかもしれませんが、家を買うというのは一生に一度のことです。
快適に暮らすために多少手間がかかってもひとつひとつ確認しましょう。
当時築年数の古い団地に住んでいた友人の話です。ついに一戸建てを買う決心をして建売住宅の内覧会にでかけました。
私のアドバイスや事前に調べた情報をもとに隅から隅までしっかりチェックしたそうです。
自宅の収納は押入れだったので、クローゼットには奥様も大喜びしていたそうです。
しかし友人はクローゼットの奥行に違和感を感じました。「うちの押入れと比べると奥行きが小さいように感じるけど、クローゼットはこんなものか。」と。
その日はまだ冬の寒さの残る気候で、ダウンコートを着ていたので、イメージするために、収納してみました。
ハンガーはなかったので、手で吊るした状態で確認したところ、コートの袖が壁や扉に擦れてしまっていました。
肩幅の小さい子供服や女性物ならば、問題なく吊るせるでしょうが、吊るして収納したいのは主に冬物のコートや型崩れしてほしくないジャケットなどです。
友人は、この住宅のほかにも内覧会に行ったのですが、その際にはクローゼットも注意深く確認するように心がけたそうです。
クローゼットは収納力を考えると幅も重要ですが、奥行きも見落とさないように確認しましょう。
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建売住宅だとしても、妥協せずに自分の理想の家を手に入れましょう。
まとめ
一戸建てを購入する際、建売住宅のウリは時間と値段ですね。新居での生活がスムーズにスタートできるの大きなは魅力的です。
自分たちの思い通りに決められる注文住宅も夢があっていいですが、一からすべてを考えていく過程は想像以上に大変です。家づくりの知識がない状態からはじめるとなるとなおさらのこと。
こだわりのあまりない人や、時間をかけられない人、細かい部分まで考えることが大変な人は、建売住宅を検討してみることをおすすめします。
本記事では、一般的に「安かろう悪かろう」と言われがちな建売住宅のチェックポイント、賢い選び方を紹介しました。
いくら完成しているからと言って、よくわからないのに安心しきって、損な買い物をしてしまっては困ります。チラシだけでは分からない、見学だけでは分からない部分を自分で調べて知識をつけていく必要があります。
人生最大の買い物である家の購入は絶対に後悔しないようにしたいものです。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
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