新築の間取りを決める際、意外と見落とされがちなのが寝室を夫婦同室にするか別室にするかという問題。
他の空間について考えるのに追われたり、「夫婦は同じ部屋で寝るもの」という固定観念から、別室を検討しない方も多いようです。
しかし、本当に夫婦同室で寝ることだけが正解なのでしょうか。
人によって寝心地の良い環境は違います。実際に暮らしてみてから、夫婦別室にしていれば解決していたかもしれない事態に陥ってしまうことも。
そして、質の良い睡眠は質の良い生活に欠かせないもの。睡眠をとる寝室についてよく考え、ベストな選択をすることは、満足できる家を建てるうえでとても重要だと言えます。
今回は、夫婦別室のメリットやデメリット、間取りのアイデアなどをご紹介します。これを機に、是非夫婦の寝室のあり方について考えてみてくださいね。
目次
この手があったか!新築の夫婦別室【間取りアイデア】
新築を建てるタイミングで夫婦別室を検討したいという方も多いかもしれません。
予算内でできるだけ希望に沿った家づくりをしたい!と思っていても譲れない部分もありますよね。
また、夫婦の関係は年々変化していくものです。変化に伴って適切な寝室の形も変わっていくかもしれません。
その時々の夫婦の関係に応じた寝室の形に変えられたら使いやすいですよね。
そのような方にオススメの完全な別室ではない、アイデアを取り入れた寝室をご紹介します。
あなたにちょうどいいバランスの別室を見つけてみてくださいね。
完全に分けすぎない「セミ別寝室」
まずは、セミ別寝室についてみてみましょう。
セミ別寝室は、別々に寝室を作りその境目を引き戸にするタイプの間取りです。
引き戸にすることで完全に分けすぎないようにするのがポイントです。
引き戸のメリット 引き戸を完全に閉めれば別々の部屋になり、開けておけばつながった空間になります。 少しだけ開けておく、ということも引き戸であれば可能ですよね。 引き戸の開け具合を調節できるので、別室にはしたいけれどもコミュニケーションがおろそかになるのは避けたいという方にオススメの間取りです。 |
次に、基本は同室で別室にすることもできるというアイデアを紹介します。
基本は同室がいい方にオススメ!サブ寝室
続いて、サブ寝室をご紹介します。
こちらはその名の通り、メインの寝室とは別にサブで寝室を作るという間取りのことです。
基本は一緒に寝るけれど、時折別々で寝れるような部屋を作っておくと、常に同室というストレスが軽減されます。
サブ寝室のメリット 基本は同室なので別室という感覚は薄れますが、「たまには一人の時間が欲しいかも」という方や、時々就寝や起床のタイミングがずれる方などにはオススメです。 |
サブ寝室にも様々な形が考えられますので、いくつか例をご紹介します。
【例①寝室に隣接する小部屋を作る】
メインの寝室と隣接する空間に、人が一人寝れるくらいのこじんまりとした部屋を作り、サブ寝室にするというアイデアです。
仕事で就寝時間が遅くなったときなどに使えます。また趣味のものを置くなど、自分のプライベートな空間を作ることも可能です。
寝室と引き戸でつなげれば、上のセミ別寝室のようにもできます。
【例②リビングにソファベッドを置く/和室に布団をしまっておく】
サブ寝室という空間を作るのではなく、既存の空間をサブ寝室としても使えるようにするという方法も考えられます。
「寝室を増やすために他の空間を減らさなくてはいけない」というデメリットがなくなるので、部屋の数的にもう一つ寝室は作れないという方にもオススメです。
知人Cさんの話 Cさんはお酒を飲むといびきがひどくなるという自覚があったようです。 そのため仕事の接待などでお酒を飲んだ時だけ、寝室とは別の和室で布団を敷いて一人で寝ています。 これは、自分のいびきで奥さんに嫌な思いをさせないためなんだとか。 |
レイアウト変更が容易な間仕切り
最後に、間仕切りをご紹介します。
間仕切りは、一つの部屋を仕切りを使って二つの空間に分ける方法です。
レイアウトの変更や一部交換などが容易にできる便利な仕切りになっています。
仕切りの種類によって、しっかりと二つの空間に分けられたり、生活の変化に対応して取り除いたりすることができます。
間仕切りを使うときは、自分たちに合った間仕切りを選ぶと良いでしょう。
では、間仕切りの種類をみていきましょう。
- 壁で仕切る
一つ目は、壁で仕切るタイプの間仕切りです。壁は設計段階から設置を決めるので、間仕切りに対応した間取りを考えることができますよ。写真でいくつか例をご紹介します。
- 厚い壁タイプ
引用:セキスイハイム
上の写真の壁は厚みがありながらも最低限の部分のみ仕切るタイプ。
【特徴】
しっかりと分かれていると感じつつ、お互いの空間に行き来しやすいですよ。
個室のイメージに限りなく近いですよね。
- 薄い壁タイプ
引用:セキスイハイム
この例は次でご紹介するパーテーション寄りですが、建てる際に設置している点では壁のような仕切りだと言えます。
【特徴】
このように少し透けるような素材の壁を作ると、より空間のつながりを感じやすくなります。
そして、見た目もスッキリしているのがいいですよね。
【注意点】
壁は気軽に動かすことはできないので、年月が経ってからの寝室の形の変化には対応できないことには注意にておきましょう。
- パーテーションで仕切る
引用:リフォーム産業新聞
このように可動式のパーテーションで寝室を仕切るアイデアもあります。
【特徴】
可動式なので、年月による夫婦関係の変化にも対応していますね。
また写真のようなパーテーションならば、開け具合も調整することができるので柔軟な対応も可能です。
写真の例は設計段階から設置されていますが、後付けで設置することも可能です。
【注意点】
しかし厚みはないので、しっかりと空間を分けるのには適していないと言えます。
- 収納家具で仕切る
引用:NANKAI
最後にご紹介するのが可動式の収納家具による間仕切りです。
【特徴】
こちらも可動式なので、年月に応じて移動することができます。収納家具を使うので、スペースを無駄なく活用できるのも大きな利点です。
【注意点】
ただ厚みが生まれるので、空間のつながりを感じたいという方には不向きです。
また、移動する際の手間も考慮して設置を考えた方が良いでしょう。
新築を夫婦別室にするメリット・デメリット
まずは、夫婦別室のメリットとデメリットを表にまとめてみたので見てみましょう。
メリット |
・自分に合った環境で快適に眠れる ・プライベートの確保 ・配偶者と適度な距離感が保てる ・子供の夜泣きで気を使わない |
デメリット |
・寝室が増えるため他の空間が減る ・コミュニケーションが少なくなる ・緊急の対応が遅れる可能性がある |
【夫婦別室のメリット】
夫婦別室は、特に一人の時間が欲しいというタイプの方には大きなメリットがあります。
一人で打ち込みたい趣味があったり、だれにも干渉されない一人の時間が欲しい方などは、夫婦別室の方がストレスが少なくなるでしょう。
また、子供が生まれた時なども夫婦別室にすることでメリットになります。
~子供が生まれたばかりの奥さん~ 子どもが生まれるとしばらくの間、夜泣きしてしまうことが多くありました。 夜中の授乳もミルクでなく母乳だったので、夫が手伝いをするには難しい状況でした。 「次の日も朝早くから仕事に行かなくてはいけない夫が、寝不足になってしまうのはかわいそう」と感じ、夫婦別室にしていました。 |
【夫婦別室のデメリット】
しかし、一人の時間が確保できたりというメリットがあるコミュニケーションが少なくなることはデメリットとして挙げられます。
また、寝室を一部屋増やさなくてはいけなくなります。そのため他の部屋を削る必要が出てきたり、コストが増えたりすることが考えられます。
友人の家では、新築当時から夫婦別室にしていたそうです。
特に問題もなく快適な新築ライフを過ごしていたのですが…入居後5年ほどたったころに友人の体調が悪くなり始めたそうです。
病院にも頻繁に通うようになってきたころ、妻から「緊急時にきづけないのが不安だから一緒に寝よう」と言われたそうです。
お互いの安心のために今は一緒に寝ているのだとか。
夫婦同室にも別室にもメリット・デメリットがあります。
自分たちの価値観や生活に合っていると感じる方を選択することが重要ですよ。
新築の夫婦別室【こんな夫婦にオススメ】
では、どのような夫婦に別寝室が向いているのでしょうか。
- 一人の時間が欲しいタイプ
まずはメリットのところでも述べたように、一人の時間が欲しいタイプの方です。
一人になれる時間や空間が欲しい方にとっては、同じ寝室で自分のプライベートゾーンがないことは大きなストレスとなるでしょう。
毎日の小さなストレスでも、溜まってしまうと対処しきれなくなってしまうかもしれません。
- 夫婦間で生活リズムが違う
仕事の都合で夫は夜遅くに就寝し、妻は朝早くに起床するなど生活リズムが違う場合もありますよね。
このように就寝・起床のタイミングが大きくずれている方は、夫婦別室の方がゆっくり眠ることができるでしょう。
気を遣い合うことなく、自分のタイミングで眠って起きることができるので、睡眠の質の向上も図れます。
Aさん夫婦は旦那さんが会社勤めで、Aさんは在宅でライターをしています。
旦那さんは夜には帰ってきて朝8時に家を出ます。
一方Aさんは気持ちが乗ると深夜まで記事作成をすることもあります。
二人の寝室は同室だったのですが、Aさんが深夜まで作業し寝る時はすでに旦那さんは熟睡。
起こさないように気を遣いながら寝ていたようです。
(しかも、熟睡中の旦那さんのいびきでなかなか寝付けなかったとか・・・)
さらに旦那さんは朝早く起きるため、物音でAさんも起こされてしまい、結局2,3時間しか眠れないということが度々あるそうです。
Aさんは家を建てる時には絶対夫婦別室にしよう、と決めています。
このような体験を聞くと、生活リズムの違いは夫婦別室が必須のように感じますね。
- 年齢が上がってきたご夫婦
年齢が上がると、睡眠の質は健康に直結してきます。
より良い睡眠をとることが、若い時よりも一層大切になります。
「最近よく眠れなくて体調が良くない…」と感じる方は、夫婦別室で寝るという選択を一度考えてみてもいいかもしれませんね。
知人Bさんの話 40代のBさん夫婦は、新築を建てる際に夫婦別室にしたそうです。 きっかけはBさんの提案。 旦那さんは思いがけない提案だったようで、最初は驚いたものの受け入れ、夫婦別室で寝るようになりました。 それからBさんの体調は好調で、この年齢だからこそ睡眠の質の確保の重要性を実感したと言います。 |
自分たちに合っている寝室の形について検討してみてください。
実際のとこどうなの?!意外と多い?夫婦別室
夫婦で別の寝室が向いている夫婦がいるのは事実。
しかし実際に別室で寝ている夫婦はどれくらいいるのでしょうか。
実際に別寝室で寝ている夫婦は意外と多いんですよ。
2018年の統計を見てみましょう。
参照:リビンマッチ調べ
30歳以上の子持ち既婚者268人に夫婦の寝室について調査したところ、57.5%の方が同室、42.5%の方が別室と回答したようです。
続いて、婚姻期間についての調査の結果も見てみましょう。
同室と答えた方の89.6% ほぼ同じ割合という結果になりました。
別室よりも同室の方のほうが明らかに多い
同室と答えた方2.6% 参照:リビンマッチ調べ |
調査対象の偏りもありますがここで注目したいのは、婚姻期間が比較的短い夫婦の寝室は同室が多く、長くなるほど別室の割合が増加するということです。
結婚して最初のうちは一緒に寝るけれど、10年ほどすると別々に寝る夫婦が増える傾向が見られます。
では、なぜ別室で寝るのでしょうか。寝室が別室である理由の調査結果も見てみましょう。
参照:リビンマガジンBiz
その他には、夫が布団派で妻がベッド派という違いから別々に寝ているといった意見も見られました。
ここから分かることとして、夫婦が別室で寝るのは以下のことが理由になっていると言えます。
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年齢が上がると睡眠の質が健康に直結しますし、婚姻期間が長いほど生活リズムの違いによる睡眠の違いがストレスとなって溜まっていくのかもしれません。
別室で寝ている夫婦は意外と多く、さらに婚姻期間が長くなると、睡眠の質の向上やプライベートの確保のためにその数は増加することがわかりました。
【番外編】同室でもプライベートの空間を確保するには
最後に寝室は同じでも、お互いのプライベートの空間を確保する間取りのアイデアをご紹介します。
寝室は同じが良いけれどお互い一人になれる空間や時間が欲しい、そんな時は寝室の奥にそれぞれの個室を作るというのはいかがでしょうか。
引用:セキスイハイム
このように夫婦の寝室の奥にこじんまりとした個室を作ることで、お互いのプライベートが確保された空間を作り出すことができます。
~それぞれの部屋がある夫婦の声~ ・我が家は妻の趣味がハンドメイド・私の趣味が音楽とそれぞれの物と置く場所が必要なものなので、それぞれの個室を作りました。お互いストレスになることなく過ごせています。 ・我が家はお互いに仕事を持ち帰ることが多かったので、家に帰っても仕事のできる環境にするため、それぞれの個室を作りました。寝るときは一緒なのでコミュニケーションはしっかりとれています。 |
別寝室とは違う形の夫婦別室。
別寝室にも同寝室にもしっくりこない時は、是非検討してみてください。
おわりに
人生のうちで睡眠は多くの時間を占めます。
また、睡眠の質は健康に直結します。
その睡眠時間をなるべく心地よく過ごすために、寝室は重要なポイントとなります。
同室、別室というくくりだけではなく、夫婦の数だけ様々な寝室の形があります。
そして1組の夫婦でも、年月によって適した寝室の形は変わっていきます。
自分たちに合った寝室の形はどういうものなのか、どのようにすればお互いにストレスをためることなく寝室を利用できるのか、これを機会に考えてみてください。
新築を建てるにあたって、よい決断ができますように。
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火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
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