新築で建てた家が寒いなんて話、皆さんは信じられますか?
まさかそんなはずはないでしょう、寒いんだったらそれは欠陥住宅なんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。
しかし、実際にあり得る話なんです。
欠陥住宅でもなく普通に建てた、設計図通り、打ち合わせ通りの新築の家が、とてつもなく寒いということが。
そしてさらに恐ろしいことに、ただ寒いだけではなく、家の外よりも中のほうが寒くなってしまう場合もあるというのです。
家の寒さというのは、一度建ててしまうと建て直す以外の方法では改善の難しい部分です。
せっかく建てた新築のマイホームが極寒…なんて嫌ですよね。
そんな失敗をしないために、想像していた暖かい新築を手に入れるために、しっかりと知識を付けていきましょう。
目次
一番重要なのは「壁の気密性・断熱性」
寒い外気から家を守るために一番重要になってくるのが気密性です。
なかなか聞きなれない言葉でなんだか難しそう、と思う方もいらっしゃるかと思いますが、簡単に言えば、風が入りやすいかどうか、隙間が少ないかを表したものになります。
そして、気密性の何を気にすればよいかというと、数値です。
気密性を表す数値として「C値」というものがあります。
この数値が小さければ小さいほど、隙間風が入りにくい、気密性が高いということになります。
ぜひ、新築で家を建てるときには工務店の方に「この家は気密性いくつで設計されていますか?」と聞いてみてください。
例えば)
「この家の気密性は3で設計されています」と言われたとしましょう。
それがいいのか悪いのか、なかなか判断が付きにくいと思いますが、安心してください。
この数値には基準があり目安をお伝えしておきます。
- 比較的暖かい地方では5以下
- 寒さの厳しい東北地方では2以下
また気密性が高いだけでは意味はなく、「断熱性」も同時に高くなければ、いけません。
断熱性を表す数値は「Ua値」(外皮平均熱貫流率)です。
窓・床・外壁・天井・屋根から、どれだけの熱が室内から外に逃げていくのかを数値化したものです。
数値の評価としては、基本的C値と同じく、値が小さければ小さいほど断熱性能が高いということになります。
UA値はどこまで必要かの目安ですが、費用対効果で考えていくしかありません。
しかし、省エネ基準(0.87以下)は、クリアしていないといけません。
・比較的暖かい地方では0.6~0・8
・寒さの厳しい東北地方では0.4~0.6
家を建てる場合は「最高レベルの高断熱・高気密」にして間違いなしですね。
壁は家を建ててから直すのは、難しい部分ですのでしっかりと確認しておきましょうね。
風通しや光を採るために必要な「窓」
風通しや光を採るために必要な窓ですが、位置や数を間違えてしまうと家の中が寒くなってしまうこともあります。
日光を取り込める利点を考慮しても、断熱材の入った壁には寒さ対策としては到底かないません。…とはいっても、極端に窓のない家は圧迫感があって息苦しいですよね。
きちんと窓をつくりながらも断熱性を考えた素材を探してみましょう。
結露の原因にもなるサッシ
サッシとは、サッシュとも呼ばれガラス窓に使う窓枠のこと。
サッシの材質で窓の断熱性は大きく変わります。
サッシには4種類があります。
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- 樹脂サッシ
- 木製サッシ
【アルミサッシの特徴】
他のサッシに比べて価格がとても安い
しかし性能は思わしくなく、外の寒さをダイレクトに引き込んでしまいます。
以前はアルミサッシを使うことが多かったのですが、断熱を見直す時代になったため、今の家にはほとんど使われなくなりました。
【アルミ樹脂複合サッシの特徴】
アルミサッシに比べると、寒さを樹脂がカットしてくれるので少しは断熱効果があがっています。
・金額的にも樹脂や木製サッシに比べてお手頃
・デザインが豊富
今家を建てる方は、このアルミ樹脂複合サッシを選ぶ方が多いようですよ。
【樹脂サッシの特徴】
断熱性と気密性が高い
防音効果もあるとして、近年、日本でも普及し始めている材質です。
価格は高めで、アルミサッシの1.5倍~2倍程度と考えておくと良いでしょう。
【木製サッシの特徴】
断熱性に優れていて長く親しむことができるサッシ
メーカーや商品によって変わってきますが、アルミサッシの約2倍の価格差があります。
また、定期的にメンテナンスをおこなわないと木部が劣化してしまうので注意が必要です。
【アルミサッシと樹脂サッシ・木製サッシの比較】
樹脂サッシと木製サッシは高価ではありますが、断熱性は非常に高く、アルミサッシの1000倍以上も熱を伝えにくいといわれています。
・アルミサッシ…価格が安いが断熱性能は低い
・アルミ樹脂複合サッシ…現在一般的な材質。アルミサッシより断熱効果が高く価格もお手頃
・樹脂サッシ…断熱性、気密性に優れている。少しずつ普及しはじけている材質。
・木製サッシ…断熱性が高く結露が発生しにくい。定期的なメンテナンスが必要。
大きい窓を取り付ける場合は、少しでも外気と触れる部分から寒さをを入れないようにこのようなものを選びたいですよね。
窓の大部分を占めるガラス
窓ガラスは選ぶ種類によって、期待できる効果が違ってきます。
ガラス材には2種類でどちらかを選べますよ。
- 単板ガラス
- 複層ガラス
【単板ガラスの特徴】
フロート板ガラスとも呼ばれる通常の1枚ガラスのことです。
圧倒的にコストパフォーマンスがよいのがメリットですが、遮熱性は非常に低く、外の寒さを取り入れ、室内の熱を外へ多く逃がしてしまいます。
【複層ガラスの特徴】
何枚かのガラスを合わせたもので、ガラスとガラスの間に空間を作って熱伝導を和らげたもの。
二重窓(ペアガラス)、三重窓と呼ばれるものがこれにあたります。
「複層ガラスの間にアルゴンガスというものをとじこめたもの」
・より遮熱性が高く、真空にした場合だとさらに性能はよく
・普通のガラスに比べて4倍も遮熱効果があります。
そして、もちろんのことですが二重より三重のほうが遮熱効果は高くなります。
【単板ガラスと複層ガラスの比較】
断熱に関してはもちろんなのですが、単板ガラスよりも複層ガラスのほうがメリットがあります。
- 紫外線のカット率が高く
- 結露もしにくく
- 遮音性も高い
少し価格的には高くなりますが、複層ガラスのメリットは多いんですね。
単板ガラスの種類の中で有名【Low-E複層ガラスの特徴】
こちらはガラスの表面に特殊な金属の膜を施したもので、日射熱をコントロールすることができます。
この金属の膜によって、日光はしっかり取り込みながらも外からの熱はカットし、家の中の暖かさは失いにくいという利点があります。
何も施されていない単板ガラスと比べると、少し色がついたように見えるものもありますが、かなり気になるというほどではありません。
ちなみにLow-E複層ガラスを使った窓ガラスはこんな感じですね。参考にしてみてください。
価格はメーカーや商品により差はありますが比較してみると以下のような結果になります。
【1㎡当たりの値段の比較】
・単板ガラスだと6千円
・複層ガラスは1.5万円
・Low-E複層ガラスは2~5万円
・単板ガラス…通常の1枚ガラス。コスパはよいが遮熱性は低い。
・複層ガラス…何枚かのガラスを重ねたもの。遮熱性が高い。紫外線カット効果もある。
・Low-Eガラス…複層ガラスの一種。遮熱性高く、日射熱をコントロールできる。
値段かなり高いというわけではないので、複層ガラスを選ぶならLow-Eを選択することをおすすめしますよ。
場所によって考えよう!窓のタイプ
実は、窓のタイプでも暖かさは変わります。
例えば、引違い窓の場合は隙間ができやすいので、気密性は低くなります。
引用:LIXIL公式サイト
掃き出し窓や腰高窓だと大きく開閉したいので、どうしても引違いにはなってしまいます。
「小さい窓でもよいならば気密性が高い」ので使えるところにはこちらを採用してみたいものですね。
・外開き窓
・内倒し窓
・上げ下げ窓
引用:LIXIL公式サイト
大きな掃き出しを作った場合は、窓の高さを床から少し上げてみることでも部屋を暖かく保つ効果がありますよ。
私の友人が窓の失敗談を教えてくれました。こんなことにならぬようお気を付けください!
~私の友人の窓の失敗話~ 私の友人と奥さんは全く家のデザインなどに興味がないので、窓のこともあまり気にせず工務店の方のいうままに決めてしまいました。 そして実際に住んでみて3ヶ月…。 冬ということもありエアコンを一日中フルで稼働していたら、窓の結露が大変なことになっていたようです。 【採用したもの】 もっと早く言ってくれればアドバイスも少しはできたのに、となんだか私まで残念な気持ちになってしまいました。 |
窓は後からリフォームすることもできますが、なるべく最初から理想のマイホームにしたいですよね。
壁同様しっかりと理解しておきましょう。
不動産やハウスメーカーに勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
吹き抜けは暖かい家には向いていない!?
最近の住宅に多いのがリビングの吹き抜けです。
とても開放感があって気持ちいいですよね。
ただ、風がよく通るのと暖房スペースが広くなりすぎるのでやはり暖かい家を重視するのでしたらお勧めはできません。
先ほど、窓が多いと寒いということを書きましたがこの場合も同じです。
吹き抜けにすることで部屋の窓の数が増えてしまいますので、2階の窓から伝わる冷たい空気が1階に降りてきてしまいます。
意外と盲点な床材も厳選しよう!
壁や窓などは、断熱効果を意識しやすい部分ですが、フローリング材について深く考えたことはありますか?
木でできているのは確かなのですが、使うものによっては寒く感じられてしまうこともあります。
大きく分けて2種類
一つは無垢材、もう一つは集成材(合板)と呼ばれるものです。
この2種類、何が違うかと言いますと1本の木か、薄い木を何枚も張り合わせて作ったものかという違いです。
【無垢材の特徴】
水の通り道を持っていますのでその空洞のおかげで熱伝導率を低くすることができます。
【集成材の特徴】
接着剤で張り合わせてあるので空気の隙間はなく、それほど遮熱性はありません。むしろ熱を通し、冷たさを蓄えてしまいます。
無垢材で使われる木は杉やヒノキ、栗や桜など様々です。
それぞれに表情があり、色合いや模様、経年変化も楽しめます。
その中から、ぜひ好みのものを探してみてくださいね。
【無垢材を使用する時の注意点】
それは手入れの面です。天然木なので水に弱いことや膨張、収縮を繰り返すという特徴もあります。
収縮したフローリングの隙間に細かなほこりやごみが入り込んでしまうと掃除機ではなかなか吸えません。
水をこぼした際も隙間に入り込んだ水分はふき取ることができません。
【無垢材と集成材の比較】
それぞれのメリットを先に見てみましょう。
集成材:手入れが簡単。水などをこぼしても安心。
集成材は水回りで採用してみるのもいいかもしれませんね。
集成材:遮熱性が少ない。
無垢の床は肌触りもよく、見た目も高級感がありますので、どこを優先するかは悩みどころですね。
最後の手段!床暖房を入れよう
床材を無垢材にして、さらに床暖房を入れたらもっと暖かいんじゃないか!そう思う方もいらっしゃるかと思います。
天然の木材ということもあり、木を痛めてしまわないように自然のままのほうがいいような気もします。
もちろん無垢でも床暖房に適した材質のものもありますので、どうしても検討されたい方は一度、工務店の方に相談してみてはいかがでしょうか。
集成材を使ったおうちには床暖房はお勧めです。効果もしっかりと得られるでしょう。
今の火災保険で本当に大丈夫ですか?
まとめ
安い材質のものを使うと断熱性が悪く、寒い家になってしまいます。
一生に一度の大きな買い物。
なるべくならコストを削減していきたい、という気持ちももちろん分かります。
しかし、コストを下げることばかりを重視して寒い家にならないように気を付けましょう。
コスト削減ばかりではなく、必要なところにはきちんとお金をかけることも大切ですね。
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