新築の間取りを考えるときに、階段の位置は誰もが悩むところだと思います。
階段の位置は「暮らしやすさ」という点で大きな部分を占め、家の間取りに大きな影響を与えます。
昔は玄関に入ってすぐ階段、というのが主流でしたが、階段の種類も設置場所も豊富で、選択肢も増えています。
階段は毎日何度も使う場所で、単なる「通り道」ではなく、家のアクセントとなり、生活に必要な家具を入れる搬入路でもあります。
時には家具の機能も担う重要な部分です。
そんな階段は一度設置すると、簡単に場所を変えたりすることはできないので、後悔してからでは遅いのです。
やっと念願の家を建てたのに、寒い!光熱費が高い!危ない!なんてことで頭を悩ませないためにも、様々なシチュエーションを想像してイメージを固めることが大切です。
生活スタイルに合った設置場所を選んで、家族みんなの「安全で過ごしやすい家」を作りましょう!
目次
新築の階段の配置で家をデザインする
まず、新築の家で階段をどの場所に配置するかによって、形状やデザインなどが決まってきます。
階段の配置場所は大きく分けて2つがあります。
「リビング階段」と「ホール階段」
それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
リビング階段のメリット
リビング階段は、デザイン性や間取りの面でメリットが多く、十数年前から採用される機会も増えてきました。
- 家族が顔を合わせる機会が増える
リビング階段はその間取り上、リビングを通らないと2階に上がれません。多くの場合子供部屋は2階に設置するので、家に帰ると必ずリビングを通ることになります。
・子供がいつ帰宅したかわからないということはなくなる
・いつ誰が外出したのかを把握できる
このように、家族の気配を感じることができるという点において、家族が集うリビングの機能を最大限に引き出すことができるのです。
- リビングが広くとれる
階段スペースをリビングに入れることができれば、廊下を作る必要がなくなるため、その分リビングを広く取ることができます。
吹き抜けとの相性も良く、2階と自然につながることができます。
視覚効果によって、開放感があって「広く見せる」効果もあります。
- リビングがおしゃれになる
リビング階段を採用することで、途端に部屋がおしゃれになります。
階段のデザインも豊富にあるので、リビング階段はその家の表情を作ってくれるのです。
- 階段下を収納スペースにできる
階段の設置には思いのほか広いスペースを必要とします。
その階段の下をデッドスペースにせず、収納スペースにすれば、家族で共用するリビングでも大きな役割を果たします。
他にも棚などを作り付ければ、本を並べたり、おしゃれなインテリを飾ったり、その用途は様々です。
リビング階段のデメリット
リビング階段はおしゃれで憧れますが、デメリットも多くあるのも特徴です。
- 寒さが気になる
リビング階段で一番後悔する人が多いポイントなのが、冬場の寒さと言われています。
1階と2階をダイレクトにつないでいるので、1階で温めた空気は2階へ抜け、2階の冷たい空気が1階に下りてくるのです。
一家だんらんの場であるリビングは一番光熱費がかかる場所でもあります。
暖房効率が悪いというのは、継続的にコストがかかるということですので、よく検討しなければなりません。
この寒さ問題を解消する方法もいくつかあるので紹介します。
【高気密高断熱住宅を選ぶ】
・家自体が高い断熱性をもっている
・冬の光熱費をぐっと抑えることができる
・そもそもコストが大きい
【シーリングファンを付ける】
(吹き抜けのあるタイプ)
・暖房効率が上がり、温度のムラをなくす
・電気代も抑えられる
・おしゃれなデザインのものが選べる
【カーテンやロールスクリーンを付ける】
(吹き抜けのないタイプ)
・冷気を遮断する
・簡単なDIYで自分で取り付けることができる
・冬以外は取り外せる
・天井の裏地に補強が必要
- プライバシー性がない
子供が必ずリビングを通って2階に上がることがメリットの反面、子供が友達を連れてきた時にも必ずリビングを通ることにもなります。
・リビングは「いつもきれいに」しておかないといけない
・うっかり部屋着でいると恥ずかしい
・キッチンまで丸見えてになってしまう
いつも気を遣っていなければいけないので、リビングなのにくつろぎの空間ではなくなるかもしれません。
<妻がお邪魔した友人宅> お茶をしながら楽しくおしゃべりをしていましたが、お手洗いを借りるため場所を教えてもらうと、リビング階段のすぐそばでした。 リビング階段は家の壁に沿って配置されている間取りです。 【妻の感想】 |
自宅で家族が使う分には何も問題はないかもしれませんが、お客さんがその空間に入った時は、少し気を遣わせてしまう間取りなのかもしれません。
- 料理の臭いが2階に上がる
リビングのそばにはキッチンがつきものです。リビング階段を伝って料理の臭いが2階へ上がりやすくなります。
~近年の住宅は~ キッチンや住宅全体の換気能力が上がっているので、「臭いで後悔した」という声は少なくなりました。 |
考え方によっては、料理の匂いが2階まで漂ってくることが、「暖かい家庭」の象徴と捉えることもできますよね。
- 音が響きやすい
リビングの音が2階へ、または2階の音が1階へ響きやすくなります。
リビング階段である以上は、音を防ぐことはとても難しく、音に敏感な方が後悔するポイントです。
<生活音への対策>
・階段を上がった正面には部屋を配置しない
・寝室は階段からできるだけ距離をとる
・2階の階段に近い部屋の扉は、引き戸ではなく遮音性の高い開き戸にする
- 転落の危険
小さな子供がいる場合は、階段から転落しないように十分注意しなければなりません。
1歳~2歳の幼児の転落事故原因の第1位が、階段からの転落です。
子供は少し歩けるようになると、必ず階段に上がりたがります。リビング階段があると常に階段が見えるので、ひと時も目を離すことはできません。
<転落防止対策:ベビーゲートを設置>
転落の危険を回避することができます。
「ベビーゲートは2種類」
・突っ張り棒タイプのもの
・ネジで固定するタイプのもの
「突っ張り棒タイプのもの」は
寄りかかった時に外れやすいので、階段上には設置できません。
階段上には、しっかり固定できるネジ固定タイプが多いですが、ネジで壁に穴が開く場合があるので注意が必要です。
現実的に考えるとなかなか難しいかもしれません。
階段リビングメリット・デメリットのまとめ
メリット | デメリット |
・家族と顔を合わせる機会が増える |
・寒さが気になる |
よく検討してみる必要性がみえてきましたね。
次にホール階段のメリットとデメリットをみていきましょう。
ホール階段メリットとデメリット
ホール階段は従来の戸建て住宅で、多く採用されてきたタイプです。
このタイプは玄関ホールに階段を設置し、リビングを通らず直接2階へ上がります。
メリット | デメリット |
・熱効率がいい |
・家族の顔が見えにくい |
ホール階段の特徴はリビング階段のメリットとデメリットがそのまま逆になったようなものです。
~こんなことが言われています~ リビング階段のメリットである「家族と顔を合わせる機会が増える」ことでコミュニケーションが要因だと思いますが…。 リビング階段のほうが「いい子に育つ」とか「親子関係がうまくいく」と言われることもあります。 |
「ホール階段の家だから」
・子供が部屋に引きこもりがちになるわけではありません
・リビング階段の家だから子供が明るい子に育つわけではありません。
いい環境を作りやすくするという面はあるかもしれませんが…
子育てをする中で、階段がどこにあるかということは、ほんの小さなことなのです。
子供にとっていい環境と言われると、親としては是非取り入れたいと思うのは当然ですが、子供のためにできることは他にもたくさんありますよね。
リビング階段を検討するときに、コミュニケーションという点はあまり気にせずに、他のメリットとデメリットで判断するようにしましょう。
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階段の種類と特徴を見て注意点を知る
ここでは4つのタイプの階段を紹介します。
・上下階を一直線につなぐ【直階段】
・リビング階段で採用が多い【かね折れ階段】
・安全性の高い【折り返し階段】
・デザイン性の高い【らせん階段】
それぞれの「特徴」と「注意点」そして「おすすめするケース」を見ていきます。
階段の特徴 階段の注意点 「おすすめのケース」 |
階段の特徴 階段の注意点 おすすめのケース |
階段の特徴 階段の注意点 おすすめのケース |
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忘れがちなステップの形も考えておこう
ステップの形は2種類あります。
・デザイン性よりも実用性【箱型階段】
・光や風を通す【オープン階段】
デザイン性よりも実用性【箱型階段】
踏板と蹴込み板によって、箱のように階段裏が覆われているタイプです。
踏板
・階段を上る時に実際に踏む板のこと
・建築基準法で奥行きは15㎝以上と定められている
蹴込み板(けこみ)
・階段側面の板のことで、階段の勾配を決めるポイントとなる
・建築基準法で高さは23㎝以下と定められている
階段の特徴
・安定感がある
・階段裏のスペースを収納やトイレに利用できる
【階段づくりで後悔したという実例は多い?!】 階段の勾配は、どのくらいの角度を急だと感じるかは人それぞれ微妙に違うものです。 毎日使う階段なので、間取りと同じくらい重要ポイントとしてとらえることが大事ですね。 |
光や風を通す【オープン階段】
踏板とそれを支える骨組みだけで構成されているタイプです。
別名「スケルトン階段」「シースルー階段」とも呼ばれます。
階段の特徴
・開放感を出す効果がある
・室内に入る光や風を遮らない
・インテリアをおしゃれにしれくれる
階段の注意点
・下が見えるので人によっては怖い
・下から見えるので女性は嫌がることがある
・光や空気の通りを確保するため、階段下に収納スペースが作りづらい
・強度確保のため、使用できる階段材が限られ、コストが高くなる
・蹴込み板がないので、子供が隙間から転落する可能性がある
そうなると落下や転落の予防対策は数年にわたって、実施しなければなりません。
<転落防止対策:「安全ネット」を設置>
転落の危険を回避することができます。
【子供の階段からの転落について】
転落防止の安全ネットは、仕方のないこととはいえ見栄えが悪くなります。
せっかくのおしゃれなリビング階段の魅力も半減するでしょう。
とはいえ何より安全が第一です。
妻の知人のAさんには5歳になる男の子がいます。 先日訪問する機会があり、おしゃれなオープン階段の下にちょっと不自然なマットが敷いてあるのが目に留まりました。 子供が階段を3段上がったところで、オープン階段の隙間からおもちゃを落として遊んでいたのです。それはもう楽しそうに(笑) その様子を笑いながら見ていた私を見て知人は、「あのマットの下、傷だらけなんだよ」と苦笑いをしていました。 遊ぶことを制限するのではなく、自由に遊ばせるための対策を講じているAさんのことを妻は素敵だなと思ったそうです。 |
デザイン性と安全性のバランスを考慮して、家族の安全な暮らしを守れるものを選びましょう。
階段を照らす照明は最適な物を選びたい
どのようなコーディネートをしながら、安全に使える明るさを確保するかを考えていきましょう。
- 照明の適切な明るさ
廊下や階段などの空間は、明るくし過ぎないのがポイントです。
階段などの空間を過剰に明るくしてしまうと、リビングや部屋に入った時に暗く感じてしまうことがあります。
- 照明の色はオレンジ色がおすすめ
階段は寝る前に寝室に移動する際の動線になることが多いため、蛍光灯のような白い光は脳を覚醒させてしまいます。
- 高い位置の照明
廻る階段は様々な方向からの見え方を意識する必要があります。高い位置から照らすことで階段全体を効率よく照らすことができます。
- 埋め込み型ブラケットライト(壁付けタイプ)
建築と一体化した間接光で、大掛かりな施工をしなくても手軽に間接光の優しい雰囲気を楽しむことができます。
- ペンダントライトで印象的に
ペンダントライトを吹き抜けの階段やコーナーに吊るすことで、壁にガラスの印影が広がって、幻想的な空間を作り出せます。
階段の照明は設計段階での打ち合わせが必要な照明です。
様々な実例をみておいて、しっかりイメージを作っておきましょう。
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階段の美しさを引き立てる手すり
階段に取り付ける手すりは、移動を補助するための重要な役割を担っています。
そのため、必要な場所まで連続して設置されていることや、移動しながらでも握りやすい形状であることが求められます。
2000年の建築基準法改正により、高さ1mを超える階段には、手すりの設置が義務付けられました。
アイアンの特徴 |
- シンプルなアイアン手すり
・支柱をできるだけ少なくすることで、抜け感が出て部屋が広く見える
・スタイリッシュな部屋にしたい人におすすめ
- 装飾されたアイアン手すり
装飾がついたアイアン手すりは、様々な表情を見せてくれます。
ハンドメイドなので、凝ったデザインをオーダーすることも可能です。
木製の特徴 「木材とアイアンを組み合わ技」 |
照明を取り入れた手すりの特徴 灯りが優しいので、夜間トイレに起きた時でも、目が覚め過ぎずすぐに眠れます |
手すりの安全性はどこに注目すべきか
階段は家の中でも、重大な事故の起こりやすいとても危険な場所です。いかに階段事故を防止するかを考える必要があります。
安全な手すりの高さ
「高齢者や階段の手すりを使う人が決まっている場合」
その人の身体に合った高さに取り付けるのが一番です。
「使う人が特に決まっておらず家族みんなが使うという場合」
床面から75~80㎝程度の高さを目安に揃えます。
1段目から最上段まで、途切れることなく連続して設置し、最初と最後は水平部分を設けることで使いやすくなります。
【最後の一段で踏み外す階段?!】 ハウスメーカーさんから聞いたお話です 新しく家を建てたTさんは、住み始めた頃2階から降りてくるときに、最後の一段を踏み外して転倒しました。 また別に日に!! さらに!! 床材と階段材の色が似ているからなのか…
【実際の現場をみて原因判明!】 手すりの握れる部分が壁の角ギリギリではなく、下から2段目のところで終わっているのです。 降りてくるときに、手すりの最後のところで階段も終わっていると錯覚してしまうことから起こっている事故だという結論になりました。 その後、手すりをしっかり壁の角ギリギリまで付け直し、その後は同じような事故は起こっていないということです。 |
握りやすい形状
円形は握りやすい反面滑りやすいというデメリットがあります。
多角形の方が滑りにくいですが、四角形だと角が手に食い込んで痛みを感じることがあります。
【八角形】
人が手を丸めたときの形に似ているといわれているのが八角形
【楕円形】
手すりに触れる手の表面積が大きくなるので、安定する
【三角形】
手すりに手や肘を押し付けながら歩けるので、体を支えやすい
誰でもいつかは年を取るものです。デザイン性ばかりを重視して、安全面がおろそかになってしまうのでは意味がありません。
手すりの設置についても、将来の生活を想定して検討する必要があります。
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さいごに
階段の間取りやデザインを考えるときは、今現在の生活スタイルと、将来考えられる暮らし方までを考慮しなければなりません。
例えば子供の成長や親との同居、自分自身だって年を取るのですから、将来の安全な暮らしも確保しておきたいものです。
新しい家でどんな暮らしをしたいのか。生活動線を決めれば間取りも見えてきます。
階段の位置が決まれば、生活動線も自然と決まってきます。
家族が幸せになるための家。その第一歩は階段なのかもしれませんね
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それかなり、損しています。
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