新築の駐車場といえばコンクリートを想像される方が多いのではないでしょうか。
家の外観は、第一印象を決める大事な役割がありますね。
駐車場は玄関のすぐ近くに構える設計が多いため、多くの人の目に触れる箇所となります。
駐車は何台できるようにするか。
どんな駐車場にするか。
現実的な点や理想的な点まで、イメージを膨らますだけでわくわくしてきます!
しかし、出来上がった新築の駐車場コンクリートにひび割れが発生する事まで、あなたは想定できたでしょうか。
こちらでは駐車場のコンクリートにひび割れができてしまう原因や対策をご紹介します。
実際にひび割れが発生した時に慌てない様に、しっかり知識を蓄えておきましょう。
目次
新築なのに駐車場のコンクリートがひび割れ!原因が知りたい!
そもそも駐車場コンクリートのひび割れは、どうしてできてしまうのでしょうか。
毎日目にする駐車場でひび割れを発見してしまうと、新築なのになぜ!と欠陥を疑いますよね。
このひび割れが広がっていかないかと不安を感じたり、見た目の悪さが気になるのではないでしょうか。
しかしながら、欠陥工事とは限らない事も多いのです。
- コンクリートの性質
- 地盤沈下
- 地震や振動
- 欠陥工事
コンクリートのひび割れがなぜ発生するのかをまずは探っていきましょう。
①コンクリートの性質
そもそもコンクリートは乾燥すると収縮したり膨張したりする性質があります。
セメントや水、砂利などを混ぜて作られたコンクリートは固まると、外気温との温度差で簡単にひび割れが生じやすい素材なのです。
割れない方が不思議と言えるほどです。
特に夏場に施工されたコンクリートは乾燥が急激に進み収縮やすく、こういった施工時期によってひび割れが進行してしまう場合があります。
②地盤沈下
地盤沈下などによる外的要因でひび割れが発生する事もあります。
地盤の状況が悪いのにも関わらず、基礎を強化しないままコンクリートを施工してしまうと建物が傾き、負荷が大きくかかる部分がひび割れてしまうのです。
新築の駐車場は耐久性の高さからコンクリートを選択しました。
小さい子供が2人いるので、雨の日も靴や車が汚れる事なく快適でとても気に入っておりました。
しかしながら新築完成から3ヶ月しか経っていない頃、コンクリートに無数の小さいひび割れができている事に気が付きました。
たった3ヶ月、ただただ普通に車を駐車しただけなのに、まさかです。
調査したもらったところ、雨樋から流れ出た雨水がメーターボックス内に入った事による地盤沈下であろうとの事でした。
まさか地盤沈下が原因だとは思わず驚きましたが、放置すると割れたり陥没したりする事も考えられるという話もあり、補修工事をお願いしました。
土のような柔らかい場所にコンクリートを打設すると地盤沈下が起こります。
そのため駐車場部分は砕石を敷き、ひび割れが発生しにくい様に念入りな転圧を行い、下地を強化する必要があります。
③地震や振動
大型地震や周辺工事の振動など、大きな外力が加わりひび割れが発生する事もあります。
地震などで発生するひびは、幅が大きいものが多いでしょう。
あくまでひとつの目安ではありますが、幅の小さいひびや、地震がなかったり近隣で工事などが行われていない場合は、その他の原因を疑う事になります。
④欠陥工事
施工不良による欠陥工事である事も原因のひとつです。
コンクリートバイブレーターを過度に行った事によるコンクリート分離や、打設したコンクリート内部に空洞ができない様に行う締め固めの不足など初期の施工不良が考えられます。
またコンクリートは硬化するまでに時間を要します。
コンクリートの打設が終わると、過度な荷重や雨風・日光から保護し、充分な強度が得られる様にブルーシートなどをかぶせて養生します。
その養生作業がしっかり取り行われてなかった事が原因である事もあるでしょう。
ひび割れは、幅や範囲によって大きく2種類に分けられます。
- ヘアクラック
髪の毛ほどの非常に細い幅であるひび割れを指します。
一般に0.3mm以下、深さでいうと4mm以下のもので、内部の鉄骨などに影響を与えないものだと言えるでしょう。
- 構造クラック(貫通クラック)
幅0.3mm以上、深さは5mm以上であるひび割れを指します。
そのひび割れから雨水が浸入すると内部の鉄骨に錆びが生じ、建物全体に危険が及ぶ可能性もあります。
片面だけでなく基礎内部からのひび割れである場合は、貫通クラックとも呼ばれています。
様々な要因から駐車場のコンクリートにひび割れが発生してしまうのです。
中には、1度も車を乗り入れた事がない駐車場で無数のひび割れが起こる事例もある事から、コンクリートのひび割れ自体はごくごく一般的な現象である事が分かります。
しかしながら、その大きさや広がり具合についてはよく観察し、構造クラックのように速やかに補修を行う必要があるひび割れもある事を理解しておかなくてはなりません。
駐車場のコンクリートがひび割れた時は補修できる?
よくある事案といえども、重量のある車が何度も出入りする駐車場では、ひび割れが進行していかないか不安になりますよね。
新築当初はコンクリートが乾燥伸縮を繰り返している最中であり、ヘアクラックが発生しやすい時期とも言えます。
その為、基本的にヘアクラック程度であれば補修の必要はありません。
しかしながら、ひび割れは見た目も悪く印象も良くないので、補修できるならその方法を考えたいですね。
方法としては、まず施工業者に相談してみる事です。
補修の必要性や予算など、併せて確認してみましょう。
また専門業者に直接相談する手もあります。
ヘアクラックが一ヶ所に集中していたり、基礎コンクリートに対し水平にひびが入っていたりと、明らかに施工不良が原因と思われる場合は、最初から専門業者に相談するのが良いでしょう。
無料点検を実施している専門業者もありますので、プロの専門的な観点から診断してもらう事もできます。
コンクリートと聞くだけで専門分野なイメージがありますが、意外と手軽に自分で補修する事ができるのです。
まずはしっかり準備をしましょう。
- ゴム手袋
- 保護メガネ
- ワイヤーブラシ
- ヘラ
- ハサミ
素手で触ると手荒れしたり、目に入った場合は失明する可能性もあります。
ペットやお子様が近付かない様に注意が必要です。
ここからは、ご自身でできるひび割れ補修の方法をご紹介します。
自分でできるヘアクラックの補修
ヘアクラックと呼ばれる、髪の毛くらいの幅のひび割れでしたら簡単に補修が可能です。
見た目を整えるだけでなく、放置による更なる劣化を抑え込む事も期待できます。
素人でも気軽にチャレンジできる補修材をご紹介します。
- 使いやすいノズルタイプの補修材
床用ひび割れ補修材(コンクリート用)
水に混ぜる必要がなく、ひび割れに流し込むだけで簡単に補修できるタイプです。
- 補修するひび割れ部分の汚れやゴミなどを除去し、しっかり乾燥させましょう。
- 補修材をよく振り、中の補修材を均一に整えます。
- ひび割れ部分に先細くなっているノズルを差し込み、中身を押し出しながら補修していきます。
*ひびの奥深くまで補修材が入るようにヘラなどを使いしっかり入れ込む事。
*硬化が完了するまで5℃以下になる時や、48時間以内に雨が降ると予想される時には使用をしない事。
あっという間に完了です。
完全に硬化するまで30時間程かかるため、補修部分に圧力がかからない様にしましょう。
- 使いやすいスプレータイプの補修材
インスタントセメンスプレー
吹きつけるだけで簡単に施工が可能なスプレー式セメントです。
- 補修面の清掃をしましょう。
- 補修面に霧吹きでたっぷり水をかけます。
- スプレー缶をよく振ってから補修面に向かってスプレーします。
- 最後に、吹きつけが終わったセメント面に対してまんべんなく水を吹きかけます。
表面を湿らす程度に軽く2,3回がポイントです。
こちらも作業はとても簡単ですね。
スプレーを吹き終えたら、缶を逆さにしておかないとスプレーが詰まるので注意が必要です。
自分でできる構造クラックの補修
構造クラックのような大きめのひび割れの補修はセメントなどで亀裂を埋める表面的な補修ではまたすぐに剥がれてしまう事が考えられます。
強度の高いモルタル補修材を使用し、内部からしっかり強化する事が重要です。
- ゴム手袋
- 保護メガネ
- ビニールシート
- 養生テープ
- ウーローラーや刷毛
こちらではより強度の高い補修材をご紹介します。
- 高い補修効果のある補修材
Sクリートアップ
高い浸透力を持つため、既設のコンクリート内部の微孔空隙を充填し緻密化。
ひび割れの進行を抑える事ができます。
- コンクリート表面のすすやほこりを取り除きましょう。
- 施工箇所以外には飛散防止のためテープやビニールシートで覆い、しっかり養生を施す。
- 本材を使用する前によく撹拌します。
- ウーローラーや刷毛を用い、均一に塗布していきます。
- 施工後は24時間以上の乾燥養生を行います。
3~4日以上養生するとより効果的です。
施工前後の低圧散水が不要で少ない工程で短期間に施工ができるのが魅力的です。
またコンクリート構造物の耐久性を向上させ、コンクリート自体を蘇らせる働きを持ちます。
更には、セメントとの接着性を強める作用を持つので、Sクリートアップで補修したのちに超微粒子セメントを擦り込むと、より高い補修効果が得られます。
このように、素人でも無理なく補修にチャレンジできます。
ただし慎重に見極めましょう。
同じ場所にいくつもひび割れが発生したり、ヘアラックの以上の大きさの物が広がっていく様であれば、家の基礎に影響があると考えられますので専門業者に調査を依頼するのが賢明です。
それぞれのひび割れに応じた解決策を選択できると良いですね。
コンクリート舗装のひび割れを抑制する方法はある?!
きれいなコンクリートをできるだけ保てるようにしたいですね。
コンクリート自体が完全にひび割れを防ぐことが困難な素材であるとはいえ、抑制できるのであればなるべく最小限にとどめる対策を取っておきたいですね。
ひび割れを抑制する方法はいくつかありますので、事前に業者と施工内容を確認しておくと良いですね。
- 基礎コンクリートの充分な転圧
- ワイヤーメッシュを入れる
- 基礎コンクリートの充分な転圧
基礎コンクリートを柔らかい場所に打設すると、ひび割れはわりと簡単に起きてしまいます。
そのため駐車場部分の下地は砕石を敷いて、転圧機でしっかり転圧していく事で、ひび割れの原因である地盤沈下を防ぐ事ができます。
- ワイヤーメッシュを入れる
砕石転圧した上に、鉄の棒が細かく編み込まれたワイヤーメッシュという物を入れる事で、ひび割れの抑制効果を高める事ができます。
車の重みを支える駐車場では、それに耐える強度が必要となるため強度を高める事が大切です。
ワイヤーメッシュは5.5mmのものを使用するのが一般的です。
業者によっては費用を抑えるため、それより細いワイヤーメッシュを使用する事もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
このようにコンクリートの駐車場をつくる場合は、事前に十分なひび割れ対策を行なっておく事で抑制を期待できます。
施工の際は業者によく確認しておきましょう。
コンクリートひび割れ対策には目地を活用しよう!
ここまでは駐車場一面がコンクリートである場合の対応をご説明しました。
ここからは駐車場のコンクリートにスリットを入れる『目地(めじ)』というひび割れ対策をご紹介します。
コンクリートの面に溝のようなスリットが入ったデザイン性のある駐車場を見た事はありませんか?
そのスリットが目地です。
前述のとおり、コンクリートは耐久性に優れ固くて丈夫な反面、膨張収縮でひび割れがどうしても発生してしまいます。
その膨張収縮による体積変化を吸収させ、余裕を持たせるために目地というスリットを入れておくのです。
そこにわざとひび割れを集中発生させるので『誘発目地』とも呼ばれます。
ただ、この目地はむやみやたらに入れるものではなく適正な位置に入れる事が大切です。
ひび割れが入りそうな弱い箇所に設けるのが効果的です。
目安は縦横3m~4m間隔、広いスペースである場合は10~15㎡以上にならない様に施工します。
ひび割れ防止目的の目地ですが、どうせならこの目地を上手に活用しておしゃれな駐車場を目指してみませんか?
目地には色んな素材の種類が存在します。
特徴やメリット・デメリットをご覧になって、ぜひ新築の駐車場コンクリートのひび割れ対策に目地を検討されてみて下さい。
【伸縮目地】
ゴムを使用した目地
メリット |
|
デメリット |
|
【草目地】
植物を植えた目地
メリット |
|
デメリット |
|
【砂利目地】
砂利を入れた目地
メリット |
|
デメリット |
|
【レンガ・ピンコロ石目地】
レンガやピンコロ石など加工された石材を入れ込む目地
メリット |
|
デメリット |
|
どんな家作りにするか重視する点を踏まえて、選んでみるのが良いと思います。
まとめ
新築の駐車場コンクリートがひび割れを起こしてしまうと、やはりショックなものです。
しかしながら駐車場がコンクリートであれば、雨の日も車や靴が汚れる心配はなく快適に過ごせたり、耐久性が高く長く使えるといった利点もありますね。
その事から、施工業者との事前の打ち合わせをしっかり行い信頼できる施工をお願いする事が重要です。
また、目地を使ったひび割れ対策を活用する事で、よりこだわりを持って新築を建てる事ができますね。
愛情を持って建てたあなたの新築が、これから先も末永く愛着を持って過ごせる住まいでありますように願っております。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
比較してもらうと自分に合った最安値の火災保険を見つけることができます。
無料でたったの3分で出来るのでやらない手はないですよ!
火災保険を安くするコツ
実際に私が火災保険の一括見積をして、火災保険が16万円安くなった過程を無料公開中。
→火災保険を安くする方法を知る
火災保険を安くする方法