台風や大雨などがきっかけで雨漏りが起きてしまうことはあります。
「修理業者に頼んだ方が良いのかな?」
「雨漏りの修理っていくら位かかるんだろう?」
まさか雨漏りが起きてしまうなんて予想もしないから不安になってしまいますよね。
中でも最も心配なことは、その修理にかかる費用だと思います。
でも大丈夫です!
費用の相場を知っておけば、いざというとき慌てずに対処できます。
また、せっかく修理したなら「どの位持つのか?」というのも知りたいですよね。
この記事では、雨漏りが起きてしまったときの修理費用の相場、また耐用年数についても書かれています。
ぜひ参考にしてください。
目次
雨漏りが起きやすい場所とは?【修理費用の相場と耐用年数】
まずは雨漏りの起きた場所の補修と耐用年数から紹介します。
雨漏りのほとんどは天窓や天井から起きます。
まずは天窓から雨漏りが起きた場合から見ていきましょう。
天窓からの雨漏りの場合
天窓は、室内に自然光を取り入れたり心地よい風とともに空気を入れ替えたりと、快適に過ごすための空間作りには欠かせないものです。
しかし同時に、屋根に穴を開けて設置する天窓は天候の影響も受けやすく、雨水が侵入してしまうこともあります。
原因としては天窓の窓枠に使用されているゴムパッキンの劣化によるものが多く、その場合はコーキング剤による窓枠の補修となります。
【コーキング剤での補修】
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コーキング剤はあまり長持ちしません。特に天窓という常に天候の影響を受けやすい部分なら、5年を経過した時点でメンテナンスを考えたほうが良いでしょう。
また天窓には雨水が侵入しないよう防水シートが使われていますが、劣化すると穴が空いて雨漏りの原因となります。
【防水シートの交換】
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天窓周りに止まらず屋根全体の交換となる場合もあり、足場代も加えると100万円以上かかってしまう場合もあります。
更に天窓の交換となると費用は高額となります。
【天窓の交換】
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天窓の交換と言っても天窓は屋根の一部であり、接続されている周りの屋根材も同時に取り外す必要がありますので足場の設置代も含めると高額となってしまいます。
屋根の広さによっては100万円近くかかってしまいますし、また天窓は枯葉などが枠周りに詰まって雨水が防水シートを越えることで雨漏りが起きてしまうこともあります。
10年~20年、できれば5年~10年に一度は業者に点検してもらい、ゴムパッキンの交換やコーキング補修によるメンテナンスをおすすめします。
天井からの雨漏りの場合
天井からの雨漏りをいつまでも放っておくと天井のクロスが剥がれてしまったり、水を吸って重くなったクロスが落下して怪我をしてしまうかもしれません。
他にもカビや漏電・家財への被害など、天井の雨漏りは非常に厄介です。
できるだけ早く業者に修理をお願いしましょう!
【天井からの雨漏り】
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天井から雨漏りが起きた場合は天井の貼り替えとなります。
天井の耐用年数が30年なら安心かと思われるかもしれませんが、あくまで「耐用年数」であり、雨漏りなどのトラブルにより貼り替えることになる可能性もありますので注意が必要です。
ところで、なぜ天井から雨漏りが起きてしまうのでしょうか。
その原因のほとんどは屋根にあります。
代表的な雨漏りの原因は屋根から!【種類別修理費用の相場と耐用年数】
屋根には大きく分けるとスレート屋根、金属屋根、瓦屋根と3つの種類があり、雨漏り修理にかかる費用にも違いがあります。
屋根の種類別の費用の相場と耐用年数をご紹介します。
まずはスレート屋根から見ていきましょう。
スレート屋根の場合
国内の新築住宅で最も使われているスレート屋根。
色やデザインが豊富で、価格も安いのが特徴の屋根素材で、成分のほとんどが硬いセメントで作られています。
厚さは5mm弱と軽量であるため、地震の揺れの軽減や、倒壊のリスクを抑えることができるというメリットがありますが、セメントで作られていることから防水性はないため、塗装が必要となります。
【スレート屋根の修理】
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スレート屋根は薄いために屋根が軽量なため強度は弱く耐久性も低いので、10年もするとひび割れや塗装が傷んでしまい防水機能も低下してしまうというデメリットもあります。
そのため、10年~15年程度を目安に定期的なメンテナンスが必要となります。
また2004年以前のスレート屋根にはアスベスト(石綿)が15%含まれていました。
アスベストはセメントと一緒に混ぜ合わせると高い耐久性を発揮するため、スレート屋根の強度を高めるために重要な役割を果たしていました。
岩石の仲間です。綿のように軽いため石綿(いしわた・せきめん)とも呼ばれます。
アスベストは燃えないので、耐火性、気密性も高い上に軽くて加工もしやすいので、さまざまな建築物に使われたり、塗料やセメントなどに混ぜられて使用されていました。
現在、日本では2004年の10月に原則的に建材の使用は禁止されていますが、配管やポンプのつなぎ目など、一部では未だに使われています。
現在販売されているスレート屋根にアスベストは含まれていませんが、2004年以前の屋根の工事をする場合は注意が必要となります。
またスレート屋根には板金(ばんきん)という、屋根の頂点にある三角形の金属の部分があります。屋根を留める役割があり、これを棟板金(むねばんきん)と呼びます。
【棟板金の交換】
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屋根の頂上にある棟板金は風の影響を受けやすく、台風などの強風により剥がれたり、落下してしまうなどの被害に遭いやすいのです。
次は金属屋根を紹介します。
金属屋根の場合
金属屋根とは、薄くて長い板状の屋根のことです。複雑な屋根の形にも使用することができます。
使われている素材はアルミやスチールなど軽量で、耐震性も耐久性も高く人気となっています。
塗装でコーティングされている金属屋根も劣化により塗装が剥がれてしまえば雨などによって錆びやすくなり、穴が空いてしまうなどのリスクもあります。
部分的にすき間や穴が空いてしまった場合はコーキング剤を使っての補修方法もありますが、おそらく錆びている部分もいくつか見られると思いますので塗装することもおすすめします。
【金属屋根の補修】
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屋根材だけではなく、塗装した塗料の耐用年数も合わせて10年〜30年に一度はメンテナンスを行ってください。
金属屋根には他にも谷樋(たにとい)と呼ばれる、屋根と屋根がぶつかる部分にある溝があります。
この谷樋は、屋根から流れてくる雨水の通り道となっており、そのため雨水による腐食が進み雨漏りの原因となることが多い場所です。
【谷樋の交換】
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大がかりな工事となれば費用は80万円ほどかかってしまうこともあります。
また金属屋根の中でも人気が出てきているガルバリウム鋼板に替えてしまうことも雨漏り対策となります。
1972年にアメリカで開発された亜鉛板金の犠牲腐食機能(亜鉛が腐食することで鉄の腐食を防ぐはたらき)とアルミの耐久性を併せ持った金属素材のことです。
それまで普及されていた亜鉛板金であるトタンと比較しても、アルミが加わり耐久性もアップされています。
耐久性に優れ、錆びにくいことが特徴で近年人気が出てきている屋根材です。
実は、業者に依頼しなくても自宅でメンテナンスできるのもこの屋根のメリットの1つです。
メンテナンスはとても簡単で、3か月~1年に1回程度水をかけるだけでいいのです!
目的としては汚れや泥を落とすだけなので、高圧洗浄機など専門的な道具も必要ありません。
錆びないのが特徴のガルバリウム鋼板ですが、永久に錆びないわけではないので、10年~20年に1度は塗装のメンテナンスも必要となります。
瓦屋根の場合
日本で使われている瓦にはいくつか種類があります。
もし瓦が割れてしまった場合は交換となります。それぞれの費用の相場と耐用年数は以下の通りです。
費用の相場(1㎡あたり) | 耐用年数 | |
陶器瓦 | 5,500~16,000円 | 50年~60年 |
いぶし瓦 | 8,000~13,000円 | 30年~60年 |
素焼き瓦 | 5,000~9,000円 | 40年~50年 |
瓦などの屋根材の下には「ルーフィング」と呼ばれる防水シートが貼ってあるので、瓦が壊れたからといってすぐ雨漏りが起こる訳ではありません。
とはいえ、屋根材の下に雨水が入りこむのは良くありません。防水シートもずっと交換してない場合、劣化により下地へ水が流れてしまうこともあります。
【陶器瓦】
陶器瓦は日本で古くから使われており、耐久性も高いため多くの住宅に用いられています。
形も和風・洋風・スパニッシュ等、色々選べるのも人気のひとつ。
釉薬(ゆうやく)が塗られているため耐水性に優れています。
焼き物の表面を覆っているガラス層のことです。
焼き物自体に色やツヤを与えることができるほか、水を通しにくくするため耐水性も得ることができます。
陶器瓦は価格が高く重量もあるというデメリットがありますが、再塗装の必要がなく瓦自体の耐用年数が60年程度あるため、こまめにメンテナンスをしなくてもいいという点は嬉しいですね。
【いぶし瓦】
陶器瓦と同じく粘土でできています。
いぶし瓦という名前は瓦を作るとき「いぶす」ことからきています。色ムラはありますが大きな変色もなく、苔も付きにくいのが特徴です。
【素焼き瓦】
釉薬を施さずにそのまま焼くことで赤くなるため「赤瓦」とも呼ばれます。
自然の風合いを生かしたナチュラルな色で洋風の住宅によく使われますが、釉薬の塗られた陶器瓦と比べると耐久性には劣ります。
次に瓦の補修方法についてご紹介します。
トラブルの状態によっても補修方法は変わります。
屋根瓦の位置がズレた!
瓦がズレてしまう原因のひとつに漆喰の劣化があります。
屋根以外には壁の塗装などにも使われています。
瓦は、台風などで物が当たるなどのアクシデントが起きない限りは割れることもなく丈夫で長持ちします。
しかし漆喰は瓦よりも寿命が短く、雨漏りの原因の1つとなりますので漆喰の塗り直しが必要となります。
【漆喰の補修】
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屋根瓦に少しヒビが入った・欠けてしまった!
瓦にヒビが入ったり欠けてしまうと、そこから雨水が染み込んで天井から雨漏りが起きてしまう可能性があります。
そんなときは「コーキング工事」を行います。「シーリング工事」とも呼ばれますが、どちらも意味は同じです。
コーキングで補修した部分が劣化して雨漏りが起きないよう、ぜひ業者によるメンテナンスを受けてください。
【コーキング工事】
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ただしコーキングで補修するには注意点があります。
地震の揺れや台風などの強風から瓦を守るためにと瓦と瓦をコーキングで付けてしまう業者もいます。
主に訪問業者がそのような補修をしてしまうので、突然家にくるような業者にはまず依頼しないようお願いします。
瓦は、瓦と瓦の隙間から入った雨を外に流す形をしています。
コーキングで瓦のヒビを補修するのは良いのですが、瓦と瓦の隙間まで塞いでしまうと隙間に入った雨が外に流れることができず瓦の下に流れてしまい、雨漏りの原因となってしまいます。
しかも一度コーキングされた瓦は次の修理ではもう使えません。
新しい瓦を買わないといけなくなるのでその分費用もかかってしまいます。
瓦でのコーキング補修は「瓦のひび割れをくっつける」もので「瓦同士はくっつけない」と覚えておいてください。
屋根に上っての作業となります。「コーキングなら自分にもできそうだから」と自分で補修を行うことは危険なので絶対に止めてください!
必ず業者に頼むようお願いします。
【外壁から雨漏り?】その原因と修理費用の相場と耐用年数
「雨漏りといえば屋根」そんなイメージが強いのですが、実は外壁が原因で雨漏りを起こすこともあります。
外壁の雨漏りと言っても外壁には雨水を防ぐ防水紙や断熱材も使用しているため家の中に雨水が浸透しづらく、なかなか発見が難しいために大変やっかいです。
なぜ外壁から雨漏りするの?
外壁は雨風や紫外線に晒されているので、時間とともに少しずつ劣化しています。それにより外壁がひび割れることもありますが、使われているコーキング剤が劣化することでもひび割れてしまいます。
そこから家の内部に雨水が浸透、湿度が高くなることでカビだけでなくシロアリまで発生してしまい、業者に調べてもらうことで初めて外壁からの雨漏りに気づくことが多いです。
こうなってしまうと補修では完全に修理することはできないので、リフォームをする必要があります。
【外壁のリフォーム】
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また、外壁の雨漏りは塗装によっても防ぐことができます。
外壁塗装の種類と耐用年数
塗装に使用する塗料にはいくつかの種類があります。
塗料 | 耐用年数 | 価格(1㎡あたり) |
無機塗料 | 10年~25年 | 3500円~5500円 |
フッ素塗料 | 15年~20年 | 3500円~4800円 |
ラジカル制御塗料 | 10年~15年 | 2200円~4000円 |
シリコン塗料 | 10年~15年 | 2300円~3500円 |
塗料によって耐用年数、価格は異なります。
【無機塗料】
塗料は一般的に石油などの有機物を主とした樹脂を使用していますが、無機塗料はセラミック・ケイ素など無機物を主とした塗料です。
無機物は紫外線では劣化しません。なので半永久的な耐久性を持ち、その分値段は少し高めですがメンテナンスにかかる費用が削減できます。
【フッ素塗料】
防水性、耐久性に優れているのでも価格は少し高めです。
しかし一般家庭よりは耐久性を重視する大きなビルなどで使われることが多い塗料となっています。
【ラジカル制御塗料】
外壁は紫外線を浴びつづけることで外壁の劣化を早める「ラジカル」という成分が発生します。このラジカルは「チョーキング現象」の原因にもなっていますが、このラジカルを抑えるのが「ラジカル制御塗料」です。
【シリコン塗料】
シリコンの構造は通常「アクリル樹脂」と繋がっていますが、これを「アクリルシリコン樹脂」と言います。
一般的には「シリコン塗料」「シリコン樹脂塗料」などと略されます。
シリコン塗料は外壁塗装でよく使われている塗料で、耐久性もあり人気の塗料です。
外壁塗装についてはこちらも参考にしてみてください。
【DIYが趣味の方は必見!】雨漏りは自分で修理できる?
発生したばかりの雨漏りならコーキングによる補修や瓦の取り替えなど、数万円程度で済みます。
中にはDIYが趣味で「費用が安く済むような補修なら自分でも直せるのでは?」と自分で修理をする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、くり返しになりますが安く済ませようと自分で屋根に上ったりせず、確かな技術を持った専門の業者に依頼するようにしてください。
屋根に上っての作業は落下やケガのリスクも高くなるため大変危険です!
それに雨漏りの原因によってはコーキングによる補修だけでは完全に修理できません。
以下の話は私の友人Bさんの体験したDIYでの失敗談です。
そんなある日、自宅の天井にシミが…
調べてみるとコーキングによる屋根のひび割れ補修が必要で、価格にすると10万円程度の作業でした。
「これくらいなら自分でできる」と思ったBさんは自分で雨漏り修理を行いました。
一旦は治まった雨漏りでしたが、しばらくするとまた雨漏りが起きてしまいます。
その度に「やり残した個所があったのかな…?」と再度自分で修理していました。しかし雨漏りはおさまりませんでした。
【業者に依頼】
業者が調べたところによると、何度も補修していた漆喰は老朽化しておりコーキングだけでは雨漏りを防ぐことができなかったのです。
さらに残念なことに長期間放置していたため柱の腐食も進んでいました。
【結果】
結果、漆喰の修理だけでなく屋根の補修や天井の補修も加わり大がかりな工事となってしまいました。
業者に「もっと早く依頼していればここまでの工事にならなかったのですが」と言われ、最初から業者に頼んでいたら…と後悔するBさんでした。
予想もしなかった雨漏りですから費用面での心配をするのは当然のことです。
しかし、もっと大きな出費となったときに火災保険が使える可能性があります。
雨漏り修理に火災保険が使えるって本当?
雨漏り修理に「火災保険」が使えることはご存知でしょうか。
雨漏りの修理は場合によっては数百万円かかってしまうこともあるので、ぜひ火災保険を使いましょう!
とはいえ、火災保険の適用となるには条件があります。
雨漏り修理に火災保険が使える条件
まず加入している火災保険を確認してください。補償内容に「風災・雹(ひょう)災・雪災」は入っているでしょうか?
入っていれば雨漏りを保険で直せる「かもしれません。」
というのも、加入している保険のタイプにより火災保険の適用とならないケースもあるのです。
詳しくは保険会社へお問い合わせください。ここでは火災保険の適用となる条件を紹介します。
【火災保険の適用となる条件】
- 台風などの強風により瓦がズレる、漆喰が崩れるなどの被害が発生し、雨漏りが起きた。
- 雪の重みで雨どいが壊れ、雨漏りが起きた。
- 大粒の雹(ひょう)が降り、屋根や天窓のガラスが壊れ、雨漏りが起きた。等々
これらは自然災害によるものなので火災保険の適用となる可能性は高いです。
しかし、
- 経年劣化により雨漏りが起きた。
- 施工不良により雨漏りが起きた。
- もともと家を建てたときから雨漏りしている。等々
これらは火災保険の適用とはなりません。
【火災保険申請の流れ】
実際に火災保険を申請する際の流れです
保険会社に電話、もしくは保険会社のサイトからメールで問い合わせます。 |
火災保険の申請は保険に加入している本人に限りますが、やむを得ない場合は条件付きで代理の方でも申請は可能です。
まとめ
雨漏りが起きたとき、どうしていいのか分からずパニックになってしまうこともあると思います。
雨漏りが起きる前に家の不具合に気づけることが一番ですが、なかなか難しいですよね。
もしもの時に慌てないよう、ご自宅のメンテナンスは忘れずに行ってください。
その際、専門の業者に依頼することをおすすめします。
日常生活であまり気にすることの少ない雨漏り対策ですが、これをきっかけに始めてみてはいかがでしょうか。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
比較してもらうと自分に合った最安値の火災保険を見つけることができます。
無料でたったの3分で出来るのでやらない手はないですよ!
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