毎日の階段の上り下り、大変ですよね。
家を建てた時、買った時は気にならなかったかもしれませんが、年月がたつと生活スタイルも変わるものです。
例えば妊娠された場合、体調が安定しない時期に階段はきついものがあります。
小さなお子さんを抱っこした状態や、買い物の荷物がある時も大変です。
さらに時をすすめて、自分たちが年老いた時はどうでしょう。
せっかく建てた夢のマイホームが足枷になってはいけません。
マイホームと人生をともにするためには、生活に合わせたリフォームが必要になることがあります。
階段がつらいからと言ってあきらめる必要はありません。
家を愛し、家とともに暮らし、家とともに年を重ねるためにも、階段リフォームについて紹介します。
目次
急勾配の階段を緩やかにリフォームしたい!

階段の昇り降りに負担を感じている人でも階段を緩やかにすることで、負担を少しでも軽くすることができます。
では、いったいどのように階段を緩やかにするのでしょうか。

建築基準法施行令により階段の規定サイズは、階段横幅75㎝以上・蹴上げの高さ23㎝以下・踏み面の奥行15㎝以上と決められています。


下の図を参考にしてください。
![]()
引用:セレシス 家づくりブログ
一般的には 蹴上げの高さが18~20㎝・踏み面の奥行が20~22㎝であると昇りやすいと言われていて、傾斜ではなく蹴上げと踏み面のバランスが重要と言われています。
それでは階段リフォームについてみていきましょう。
気になる!【階段リフォーム】の方法と費用
階段リフォームにはいくつか方法がありますがここでは3つの方法をご紹介します。
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では詳しく見ていきましょう。
【方法1 階段の段数を増やす】
現在使っている階段をそのまま利用してできるリフォームです。
階段を緩やかにしたい場合、一段の奥行(踏み面)を増やし、段数を増やすことになります。
今ある階段の全ての踏み面の上に板を置き1段1段の高さを抑えます。
一段目の前に段をたして高さを整えます。
階段の全長が伸び傾斜は緩やかになります。
踏み面を長くするには階段の全長は長くなり、蹴上げの高さを低くするには階段の段数が増えることになります。
注意点! | 場合によっては1~2段増えるケースもあるのでスペースが必要になる |
おすすめ |
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費用 | 20万円~50万円程度 |
大掛かりなリフォームではないため、費用も比較的抑えることができます。
【方法2 階段を付け替える】
現在使っている急な階段を撤去し新しい緩やかな階段を設置する方法です。
すでにある階段を一度解体し、新しい階段の組み立てや階段が増える床部分の補修工事も行うため、工事費用は高額となります。
注意点! |
工事期間中は階段が使えなくなるため工事期間がどのくらいかかるかを確認しておきましょう |
おすすめ | 階段が老朽化している場合なども、この方法でのリフォームがおすすめです |
費用 | 約60~100万円 |
階段の種類をまっすぐ直進するストレート階段から、踊り場のあるかね折れ階段や折り返し階段に付け替えると、安全性が向上します。
【方法3 階段の位置を変える】
階段リフォームの中でもっとも大掛かりなのが、階段の位置を変更する場合です。
階段を付け替える工事のように、天井の穴あけ工事や床の補修工事に加えて、壁や柱など家を支える重要な部分も移動させる必要があるケースが多いため間取りの変更も伴います。
注意点! |
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おすすめ |
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費用 | 約150~300万円 |
大規模改修となるので、費用はかさみ工事期間も長くなります。
リフォームするなら知っておきたい!階段の種類とは?
階段の種類によって、昇り降りのしやすさや、安全性、設置にかかる費用も異なります。

せっかくリフォームをするなら、より安全な階段にしたいですね。
直階段(ストレート階段)
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費用:12万円程度~ |
かね折れ階段(L字型階段)
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費用:15万円程度~ |
折り返し階段(U字型階段)
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費用:15万円程度~ |
このほかにも、らせん階段やカーブ階段というものがあります。
らせん階段
文字通りらせん状になっている階段で、イメージはおしゃれなデザイナーズハウスについていそうなものや、ビルの非常階段でみかけることもあります。
狭いスペースでも設置できますが、形状が複雑なため価格は高めとなっています。
階段面の形が三角になる場合が多いため、中心ほど踏み面が狭くなり、階段の安全性を向上するためのリフォームとしては実用性は低いといえます。
カーブ階段
曲線を描きながら昇り降りするタイプの階段で、らせん階段よりも踏み面が広く取りやすく、安全です。
こちらのイメージは、アニメや古い映画で、お姫様が降りてきそうなものです。
階段をリフォームする場合、スペースや費用がゆるせば、踊り場のあるかね折れ階段や折り返し階段が安全でおすすめです。
緩やかな階段にリフォームすることで家の中の事故が防げる?

費用や工事のことを考えると、階段リフォームは想像以上に大変かもしれません。
しかし、階段の上り下りは毎日の生活で負担になるだけでなく、実は危険もはらんでいるのです。
家の中で起こる事故として、階段がらみの事故が実は意外と上位であることをご存じでしょうか。
0歳から4歳の幼児が3割と最も多く、65歳以上の高齢者では1.5割ですが、高齢者の場合は重症化するケースも多くあります。
階段で起こる事故の原因としては、滑ったり、踏み外してしまって転落する場合や、つまづいて転倒する場合などが考えられます。
階段が急であれば、降りる際に転落してしまう危険性は高くなりますし、昇る際にも、足が上がりきらずにつまづいてしまうこともあります。


また、自営業などで1階が店舗や事務所で、2階が住居という家もあります。
友人の実家がまさにそうでした。
友人の実家は制服屋さんでした。
1階部分が店舗と事務所で2階部分が住居になっていましたが階段がやや急で、手すりがついていない作りだったそうです。
ある日友人のお父さんが、夜に事務所に忘れ物を取りに行くために暗い階段を降りようとした際に、階段を踏み外して転落してしまいました。
幸い命に別状はありませんでしたが、足と腰の骨を骨折してしまい、しばらく入院生活を送ることに…
リハビリを頑張り、歩けるまでに回復して退院したのですが、さすがに階段の昇り降りは怖くなってしまったようで、しばらくは1階の事務所部分で寝起きしていたそうです。
【事務所での生活は不便!】
- 事務所のソファでは寝心地が悪い
- 食事もわざわざ1階まで運んでもらいひとりで食べていた
- トイレやお風呂は2階にあったため、階段を使う際に奥さんに付き添ってもらっていた
友人のお父さんは、申し訳ない思いと不便さが募り、このままではだめだ!とリフォームを決意したのです。
【リフォームで改善!】
事務所のスペースを少し利用することで、階段を緩いものに付け替え、さらに安全のために手すりや照明も設置しました。
2週間ほどで階段リフォームが無事に完成し、友人のお父さんは今までどおり、奥さんと二人で2階で衣食住をともにすることができるようになりました。
「両親はまだまだ元気なほうだけど、いずれ今より高齢になったときのことを考えると、この時の父の判断は正しかったと思うし思い切ってリフォームして正解だった」と友人は語っていました。


しかし実際には、高齢者が在宅生活が困難になる理由として、階段の昇り降りが困難になるということがあります。
安全には変えられません。
高齢者の中には、寝たきりでも、家族とともに自宅で暮らし続けることができる人もいれば、なにかにつかまれば歩くことが出来るのに人もいます。
しかし、階段を昇り降りできないがために、自宅での生活を続けることが困難になり施設で生活することになってしまう人もいます。
住環境を整えることはとても重要です。
誰だって、住み慣れた我が家で暮らしたいはずです。
【階段に安全性をプラス】リフォームできない場合にも役立つ方法

階段のリフォームといってもどんな階段でも出来るわけではありません。


階段のリフォームがどうしても難しい場合や、プラスアルファしてさらに安全性を高めたい場合におすすめな方法を紹介します。
手すりをつけることで安心感は高まる!
階段に手すりがついていると、昇り降りの際の負担軽減だけでなく、安心感もあります。
もし万が一、転倒や転落しそうになってしまった場合でも、手すりにつかまることができれば、大事故につながる危険も回避できます。
手すりの太さは32~35mmが握りやすいとされ、手すりの高さは腰のあたり(踏み面から700~800mm)とされています。
片側にだけ設置する場合には、降りる際に利き手側に設置するのがおすすめです。
費用:10万円前後 | 工期:1日 |
階段の種類によって、手すりを設置する費用は異なります。
直階段(ストレート階段)の場合
⇒3.7~7万円
かね折れ階段(L字型階段)の場合
⇒4.6~9万円
折り返し階段(U字型階段)の場合
⇒7.5~15万円
踊り場や折り返し部分の手すりの長さが増えるため、直階段よりもかね折れ階段や折り返し階段のほうが費用が高くなります。
手すりを設置する下地部分の補強が必要かどうかでも費用は変わってきます。
階段に手すりを設置するリフォームでは、介護保険制度や自治体の補助金制度を利用できるケースがあります。
介護保険制度では、介護が必要になった高齢者が、生活しやすくするためのリフォームに補助金が支給されています。
要介護・要支援認定を受けていれば、上限は20万円までで収入に応じて1割~3割の自己負担となります。
ほかにも、葛飾区では「自立支援住宅改修費助成」、大阪市には「高齢者住宅改修費給付事業」という助成制度があります。
要介護認定を受けている高齢者の方と同居されているご家庭で、手すりの設置を考えている場合は、ケアマネージャーに相談してみましょう。
お住まいの自治体のホームページや窓口に問い合わせて事前に確認してみましょう。
照明もセットで考えることでより安全に!
暗くて足元が見えにくい階段では、つまづいたり、踏み外してしまう危険があります。
せっかく階段を緩やかにするリフォームをしたとしても、足元が暗くては安全性は半減してしまいます。
高齢者は、トイレが近くなり、夜間にトイレに起きることもしばしばあります。
お子さんが、夜トイレに行きたくても真っ暗な階段が怖くて我慢するなんてこともあるかもしれません。

階段には、手すりと照明はセットで考えることが安全といえます。
費用:一か所につき2~5万円程度 | 工期:1日 |
ライトを設置した後は、電球の取り替えなどは自分で行うことになるため、取り替えやすさや安全面なども考えておきましょう。
センサーライト
階段付近にコンセントがある場合は、手ごろに設置できておすすめです。
滑り止めシートなら費用も抑えられる!
滑り止めシートを張るだけでも、転倒や転落を予防することができます。
相場は約1万円前後で、自分で設置することもできるため、材料費だけで済ませることもできます。
階段マット 滑えり止めテープ
また、高齢者や視力の低い人は、階段の角の部分(段鼻)がわかりにくくてつまづいたり、踏み外してしまう危険があるので、色のはっきりとした滑り止めシートがおすすめです。
Pursue 高輝度蓄光テープ
これなら、停電時などの非常時にも役立ちそうです。
子育て中のご家庭には転落防止柵がおすすめ!
小さなお子さんがいる家庭では、階段まわりの環境にはとくに注意が必要です。
我が子の成長は微笑ましく、うれしいものですが、赤ちゃんがハイハイができるようになるといろいろな意味で目が離せませんね。
「ちょっとトイレに行くだけだから…。」
「やかんの火を消しに行くだけだから…。」
ほんのわずかな時間でも目を離した隙に、お子さんが階段から落ちそうになって肝を冷やしたなんて経験はありませんか?

階段から転落してしまう危険を軽減するためにも、転落防止柵はおすすめです。
ベビーゲート
階段を使う度に開け閉めしたり、必ずロックをかけるなど、手間はありますが、家族みんなで正しく使えるよう心掛けたいですね。
階段リフォームのプラスアルファとしていくつか紹介しました。
なかには自分たちでできそうなものもありました。
しかし、あくまでも安全面をプラスするための方法なので、自分たちでの作業では不安に感じる場合は、決して無理せず、専門業者に相談しましょう。
さいごに
人生なにが起こるかわかりません。
家を建てる時、買う時に、将来のことを見据えているつもりでも、予定外の修理やリフォームが必要になることだってあります。
大変そうだから、費用がかかりそうだかたと、そのまま生活していては、さらなる苦労や危険が起こるかもしれません。
階段を緩やかにする方法はいくつかありました。
費用やご自宅の環境と相談して、最適な方法がみつかりますように。
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