日本に住む私たちにとっては、襖(ふすま)は住居において身近な存在ですよね。
長く住んでいると、いつの間にか色あせてきたり、子供の喧嘩だったり、猫にいたずらされてやぶれたりと、様々な理由で張替えのタイミングがやってきます。
でも、襖って素人でも簡単に張り替えられるものなのでしょうか。
せっかく張替えをするなら、さらにお金をかけるとするならば、損はしたくないですよね。
「絶対に業者に頼まなきゃダメ?」
「あまりに高い金額なら諦めなきゃいけないんじゃないの?」
そんな襖の張替えに関する不安の解決方法をこれからご紹介していきますね。
この記事を参考に、納得のいく張替えをしてみてください。
目次
【襖の種類と見分け方】構造を理解しよう!
みなさんのご自宅にある襖はどのような種類でしょうか。
さて、具体的にどういった素材を使うことができるのでしょうか。
襖紙にはどんな種類の素材がある?
襖の張替えを考えたときに、真っ先に思い浮かぶのは張り替える紙のことですよね。
お部屋の印象を大きく変えることもあるので、紙を選ぶときには慎重に選びたいものです。
そこで、購入してから後悔することがないように、襖紙の種類を知っておきましょう。
襖紙の種類は大きく分けて和紙と織物の2種類です。
【和紙襖紙】
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【織物襖紙】
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さらにDIYなどの施工方法により、再湿のりタイプ、アイロンタイプ、シールタイプに分類されます。
【再湿のり襖紙】
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【アイロン接着襖紙】
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【シール襖紙】
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このほかにも、プロ仕様の「のりを刷毛で付けながら貼るタイプ」や、「両面テープで貼り付けていくタイプ」などがあります。
では、実際に自分の家には何が合うんだろう?と思われますよね。
襖紙は、作業の難易度だけでなく襖そのものの形状によっても向き不向きがあります。
それでは次に、襖にはどんなものがあるのか見ていきましょう。
【重要】襖の構造に注意しよう!
襖は身近な存在だと言いましたが、いざ張替えるとなると、どのような構造になっているのかはよくわからない人も多いかと思います。
襖は、襖紙の張り方や縁の取り付け方法により、大きく和襖と量産襖の2つに分類されます。
それではまず、和襖についてみていきましょう。
- 「本襖」「在来襖」「チップボール襖」「ペーパーコア襖」などがある
- 浮かし張りと言って、紙の四方のみにのりを付けて貼るという技法で襖紙を張っているもの
- 四方しかのりが付いていないので、張替えが簡単という特徴がある
- 下地と襖紙の間に空気の層があるため、除湿効果があると言われている
- ただし、梅雨の時期に湿気が入ってしわになりやすいという難点もある
- 縁は隠し釘で組んでいて接着剤よりも強度がある
- 隠し釘は、釘を全て打ち付けた後、釘の頭の部分を側面から叩いて出ないようにすることで、傍目には釘を打っていることがわからないため見た目も整う
- 張替えの際には、簡単に縁を取り外すことができ、下張りや襖紙の張替えが何度でも可能です。
※ペーパーコアとは、リサイクル可能なエコ素材のことです。
つづいては量産襖についてです。
- 下地の種類によって「発砲系襖」「段ボール芯襖」「ペーパーコア芯襖」などがある
- こちらはべた張りという、その名の通り襖紙の全面にべたっとのり付けされた襖です
- 四方だけにのりを貼るというやり方は、量産するときに効率が悪いので、べた張りをすることが多い
- ただ、こちらは全面にのりを貼ることで襖全体が反ってしまう可能性があるので注意が必要
- 縁は材質が比較的軽いものが多いためボンドで接着する
- 張替えの際、縁は取り外せない
- 和襖と違い、下張りや襖紙を剥がして張替えることはできないため、上から新しい襖紙を重ね張りすることになる
ここからは具体的な襖の分類を見ていきます。
和襖
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本襖 |
格子状の木枠に、襖紙を重ね張りされているもの 一見とっても重厚ですが、実は女性でも簡単に持ち運べる重さ |
在来襖 |
木製の周囲の縁と、縦3本・横11本で障子のように組んだ骨地に、襖紙を張っているもの 日本古来の襖なので、日本の気候には最も適した種類です |
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チップ ボール襖 |
木製の芯とボール紙で製作されたもの 湿度が上がれば湿気を吸収、湿度が低くなれば水分を放出する優れもの |
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ペーパー コア入 |
枠組みの間にペーパーコアを入れたもの 在来襖に比べると破れにくく、張替えを何度も繰り返してもきれいな仕上がりになる |
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単板襖 |
枠組みの中に3~5本程度の横桟を入れて、ベニヤ板を張った下地 経済的かつ一定の耐久性も備えている |
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量産襖 | 発泡系襖 |
発泡スチロールをベースにして、アルミ箔を張った下地のもの とても軽く、その材質から少々壊れやすいのが難点 |
段ボール 芯襖 |
段ボールを芯材として、その上からアルミ箔を張った下地 強化段ボールの使用により、普通の段ボールよりも強度は何倍にもなる |
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ペーパー
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ペーパーコアにアルミ箔を張った下地 紙を使用するので、一番環境に優しい |
簡単な見分け方
襖を 持ってみたときの重さや、そっと叩いてみたときの音の感じでだいたいの材質がわかります。
- 和襖:組子の骨がある部分とない部分があるため、押す場所によって感触が違うため、柔らかい部分と硬い部分がある
- 量産襖:板状に作られているため、どこを押しても同じような硬い感触です
- ダンボール襖・発砲系襖:持ち上げるととても軽く、叩いてみると鈍い音がする
※アパートにお住まいの方は、発泡系のものを使用されていることが多い傾向にあります。安価で製作できることが一番大きな理由です。
ご自宅がどれに当てはまるのか確認してみてくださいね。
張替えで後悔しないために!【襖の種類は下調べが重要】
襖には、本体だけでなく、襖紙にもたくさんの種類がありましたね。
見た目だけではわからない違いもあります。
どれも同じ!と思って張替えてしまっては、とりかえしのつかないことになってしまうことも・・・
襖を自分で張替える時に、ありがちな失敗談をお話します。
剥がしちゃまずかった?【思わぬ落とし穴】
自宅のことはなるべく自分でやってみるようにしているAさん。
これはAさんが古くなった襖の張替えに挑戦した時のお話です。
普段から自宅の修繕や日曜大工などを行っているので、襖の張替えも難しいことはないだろうと思っていました。
しかし、いざやり始めてみたところ思わぬ落とし穴があったのです。
【古い襖紙の上から新しい襖紙を張ることを知らなかった】
古くなったものは見栄えも悪かったので、張り替え方法も調べずに剥がし始めてしまったのです。
すると、古い襖紙だけでなく、茶色のちり紙のようなものまで剥がれて、ついには段ボール状のものが見えてきました。
茶色の紙は襖紙ではないのだろうと気付き、剥がしたことを後悔することに…
【修復できるのか心配に】
これ以上余計なことはせずに、新しい襖紙を上から張ってしまっても良いのか。
茶色の紙は自分で張ることができるのか、そもそも個人が購入できるのか。
さて、ここからどうやって修復しようかと、すっかり不安になってしまいました。
【インターネットで検索した結果】
どうやらAさんの自宅の襖は、段ボール芯襖だということがわかりました。
その後、ホームセンターでのりが付いた襖紙を購入し、古い襖紙の上から重ね張りしたそうです。
Aさんの自宅の襖が和襖であれば、Aさんのように古い襖紙を剥がす方法も間違いではなかったかもしれません。
先ほど量産襖の特徴でお話ししましたが、量産襖の張替えは、下張りや襖紙を剥がして張替えることはできないため、上から新しい襖紙を重ね張りすることになります。
また、縁は取り外せません。
本襖のような感覚で、枠を外そうとして襖自体を壊してしまっては、張替えではなく、買い換えになってしまうので、注意が必要です。
とはいえ、どうしてもムラが出来たり、日が経つにつれて浮いてきたりなど完璧には仕上がらないことが多いです。
客間やリビングから見える位置にある襖は、どうしても家族以外の目につくこともありますよね。
そう考えると、「やっぱり業者に頼むのが一番では?」と思いますよね。
でも、こんなこともあるんです。
見積を取ってみてびっくり!【想定外の出費に】
自分で張替えるのは大変そうだし、失敗したら困ると思ったBさんは業者に頼むことにしました。
自宅にお客さんの出入りが多いBさん。
客間にある襖に子供が思いっきり落書きしてしまい、早急な張替えが必要になりました。
襖が、家族以外の方の目に留まることも多い場所にあることから、思い切って業者に頼もうと思いました。
しかし、いざ見積を取ってみたところ、想定していたよりも高額な請求となり驚いてしまいました。
ですが、一日でも早く張り替えたかったため、しかたなくその業者に頼むことしました。
実際の作業後は素晴らしい仕上がりになったのですが、もやもやした気持ちが残ってしまいました
張替えだけと安易に考えていたBさんは、予想外の出費をすることになったのです。
襖の張替えを業者の方にお願いした場合、縁をしっかり外して作業をしたり、手入れをしたりといった専門家ならではの作業を伴います。
当然、見栄えは素人がやったのとでは雲泥の差ですし、失敗されることもほぼありません。
そうなると、それ相応の金額がかかるもの・・・と頭では分かっているのですが、相場がなかなかわかりにくい分野です。
中には高額な請求をされているのでは?と感じるときもありますよね。
こんなときには、事前に相見積もりを取っておきましょう。
他社との比較もできますし、だいたいの相場も知った上で業者を選定することが出来ますよ。
張替えに失敗したと感じたり、業者に頼んで張替えてもらうなら、新しくすることも検討したい!と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
襖の専門店である表具店(ひょうぐてん)を探してみましょう! こうなったら、いっそのこと新調したい!という方は、襖の専門家に自宅の襖の様子を一度見てもらいましょう。 新調すべきかそれともプロによる修理できれいに整えることができるか判断してもらえます。 知り合いの表具店の方は、お互い納得して作業に取り掛かるために、 「あとどれくらい住むつもりか」「今の襖をどのような状態にしたいか」 などを依頼主に詳しく聞くようにしているといっていました。 専門家が言うのですから、まずは相談してみるに越したことはないですね。 わからないことは、どんどん問い合わせてみましょう。 |
襖の張替えを、自分で行う場合も、業者に頼んで行ってもらう場合も、下調べが大切ですね。
襖の張替えを洋風にしたい!【壁紙を使う方法】
襖の張替えが必要になる理由はさまざまだと思います。
古くなり、汚れや黄ばみが目立ちはじめたり、子どもや飼い猫のいたずらで破れたり穴があいてしまったり。
最近はDIYが流行っているので、なかには、
「襖を洋風に変えたい!」「今の部屋の雰囲気と合うようにしたい!」と考えている人もいるのではないでしょうか。
せっかく襖の張替えを考えているのだから、このタイミングでイメージをがらっと変えたいとお考えの方もいらっしゃいますよね。
DIYでもよく使われる壁紙が、襖の張替えにも使えるんです!
【襖の張替え】壁紙を選ぶポイントとは
壁紙といっても、たくさんの種類がありますね。
さりげない和柄のものや、モダンなもの、子ども部屋に使えそうな可愛らしいものから、カラーバリエーション豊富な無地のものなど。
柄は好きなものを選ぶとして、そのほかに気を付けておきたいポイントを紹介します。
ポイント1 国産品を選ぼう
大きく国産と輸入のものに分けられます。
襖の張替えには輸入品では壁紙のサイズが異なるため国産のものを使用しましょう。
襖の一般的な幅は約90㎝となっています。国産の壁紙は92㎝で輸入のものは52㎝なので、輸入壁紙だと、継ぎ目ができてしまいます。
そのまま張ればいいですし、作業がより簡単となることを考えて、国産壁紙をおすすめします。
ポイント2 のり付きタイプかのりなしタイプかを選ぼう
商品によっては、最初からのりがついていて、シールのようにフィルムをめくって簡単に張り付けることができる壁紙があります。
のりを準備する必要がなく、のり付け作業を省くことができ、しっかりと張り付けることができます。
うちは賃貸だから剥がせなくなると困るという方には、のりなしタイプがおすすめです。
貼って剥がせるのりを使えば、退去の際にも問題ありませんし、張り直しや張替えもできます。
貼ってはがせるフレスコのり
のりで張り付けるのは大変そうだから両面テープを使いたいという場合も、のりなしの商品を選びましょう。
ポイント3 のりで貼るか両面テープで貼るかを選ぼう
襖の張替えの際、のりを使うと短い時間で張ることができ、きれいに仕上がります。
しかし、襖の種類によってはのりが使えないものや注意が必要なものがあります。
本襖の場合、のりを使うことができますが、片面だけ行うと、襖が反ってきてしまうことがあるため、両面行う必要があります。
発砲系襖や段ボール芯襖は、芯時が弱いため、のりが乾燥する時に壁紙が縮む力で、襖が反ってしまう可能性があります。
両面テープを使えばどんな襖でも壁紙を張ることができますが、少々コツが必要で難易度が高いと言われています。
こちらでわかりやすく説明されているのでぜひ参考にしてください。
意外と思われるかもしれませんが、襖の張替えはのりを使ったほうが簡単かもしれません。
ご自宅の襖の種類や環境(持ち家か賃貸か)に合わせて素敵な壁紙を選んでくださいね。
そして、襖を張り替えるときにさらに注意しておきたいことがあります。
注意事項
- 壁紙を貼る前には必ず襖の表面を掃除する
- 襖に汚れやほこりなどのゴミがついた状態で壁紙を貼ってしまうと、カビ発生の原因になる
- せっかく見た目を綺麗にしても、カビが生えると台無しになってしまう
- ほんのひと手間、掃除を最初に加えるだけで張替え後が大きく変わる
失敗して後悔しないためにもこれらのことに気をつけましょう。
それでは最後に、素敵なアイデアで襖の張替えを行った友人のお話を紹介します。
~ワンポイントでオリジナルの襖に~ 襖に壁紙を貼りたいと考えた友人のCさん。 でも、なかなか思い通りの壁紙が見つかりません。 和のテイストはできるだけ崩したくないのですが、模様替えの意味も兼ねて少し雰囲気を変えたいと考えたものの、ぴったり来るものがなかなかないのです。 そんなときに思い付いたのが、マスキングテープや和紙テープなどでワンポイントを入れるアイディアでした。 張替え自体は専用の襖紙を使い、縁にマスキングテープを張ってみたところオリジナリティあふれる襖が出来上がりました。 マスキングテープは、簡単に剥がせますので、貼る工程で少し曲がってしまっても安心です。 また、和紙テープはステッカー状のものからアイロンで張り付けるものまでさまざまな種類があります。 こちらも、1か所張ってみたところ、和室の雰囲気は壊さず自分だけの襖になり、来客からも好評だったそうですよ。 |
Cさんのように、襖紙にワンポイントでマスキングテープを使うと、世界にひとつだけのオリジナル襖ができあがります。
マスキングテープなら小さくて簡単に剥がせるので、小さなお子さんと一緒に作業してもいいですね。
自分なりに襖を張替えて部屋のイメージをがらっと変えることに成功した人のYouTube動画がありました。
ぜひこちらも参考にしてみてくださいね。
まとめ
これまで襖の張替えは難しいものだと思って、なかなか手が出なかった方も今回の記事を参考にしながら、ぜひ一度挑戦してみてください。
襖の種類やポイントがわかれば怖いものはありません。
これでもう、ペットやお子さんが襖をだめにしてしまっても、目くじらたてて怒る必要はありませんね。
実家の襖が古くなっていたら、張替えてあげるなんていかがでしょうか。
とても素晴らしい親孝行になりますよ。
お部屋の雰囲気を大きく変えるものですから、楽しみながら満足のいく張替えをしましょう。
あなたの火災保険は大丈夫?
火災保険を決める時、不動産屋に勧められた火災保険にそのまま加入していませんか?
それかなり、損しています。
勧められるがまま高い火災保険に加入する前に、複数の保険会社を比較してもらった方が安い上、補償内容も整っている火災保険に加入できます。
私の場合、不動産屋に勧められた火災保険に入っていましたが、見直しをしたらなんと16万円も保険料が安くなりました。
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